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古本屋になるには 古物商申請その10

 少し間が空きましたが、古物商の申請についてもう少し解説。

 添付書類も準備でき、無事申請が受理されれば、あとは
待っているだけ。申請件数の混み具合などで若干の差は
生じるかもしれませんが、だいたい1か月ぐらいを見て
おけば許可が下ります。

 申請しても、許可証をもらうまでの間は、まだ古物商
としての営業はできません。しかし、ただボーっと待って
いるだけでは時間がもったいないと思えば、他の準備も
しておきましょう。

 オークションサイトでのID取得、銀行口座の開設、サイトの
準備、商品の準備、広告の準備、梱包資材の準備……など
です。

★ID取得
 せどりをして、ヤフオク! などで販売をするってことだけを
考える場合。
 既にIDを取得済みでしたらいいですが、まだなのでした
ら、取得申請をしましょう。出品の場合には、本人の住所確認
等の手続がありますので、申請してもすぐに出品というわけ
にはいきません。
 だいたい1~2週間程度の余裕を見ておいたらいいでしょう。
古物商の申請をすると同時に出品IDの申請をすれば、
許可が下りればすぐ販売できますので、時間の無駄はなく
なりますね。ただし、ヤフオク! の場合、出品するには
プレミアム会員の登録が必要。わずかですが費用が掛かり
ますので、少しでも経費を押さえたいのであれば、どの
タイミングでIDを取得するか入念に検討しましょう。

★銀行口座の開設
 たいていの人は、既に銀行口座位は持っているでしょうが、
もしも地方銀行にしか口座を持っていないという人は、
今後の取引を考えた場合、都市銀行とゆうちょ銀行の口座は
用意しておいた方が便利でしょう。お客さんがネットで購入
する場合、都銀やゆうちょの口座があると、振込手数料の
関係で結構便利に思う人もいます。

 個人名義でしたら、比較的簡単に口座は開設できますが、
お店の名前で口座を持ちたい場合には、金融機関ごとに
審査があります。といっても、たいていの場合は問題ないと
思います。やはりお店の名前の方が、お客さんも安心して
入金しやすいですし、多少面倒でもお店名義の口座を
開いておきましょう。

★サイトの準備
 許可が下りるまでは販売するわけにはいきませんが、
その間にもサイトの準備は進めておきたいところです。
基本的な枠組みを作っておけば、あとは商品を入荷する
ごとに更新するだけでいいですが、なかなかこの枠組みを
作る作業は大変です。許可が下りてすぐ営業を開始できる
よう、コツコツとサイトの構築作業も始めた方がいいです。

★商品の準備
 古物商の許可がないことには、転売目的で古物を買うこと
はできないのだから、商品なんてないはず。でも古本屋を
営もうとする人は、たいていの場合、蔵書家です。ですので、
自宅にたくさんの本があるはず。その中で、自分には不要な
もの、売り出してもいいものを分別、準備しておきましょう。
開業して実際に仕入がスタートするまでは、それらが当面の
在庫です。

★広告の準備
 本を売るのも買うのも、やはり広告は大事。店を立ち上げ
てしばらくは、お客さんにも認知されていないわけですから、
しっかり広告しましょう。
 どんな媒体で、いくらぐらいの予算を見積もるか? これは
難しい問題です。なるべく低予算で、なるべく効果的な広告を
したいと思うのは皆、同じ。でも、なかなか思い通りにはいきま
せん。色々工夫を重ねながら、自分なりの方法を編み出すしか
ないでしょう。

★梱包資材の準備
 ネット販売をするのでしたら、商品を郵送するという作業が
必要になります。いつ売れても困らないように、ある程度の
分量の梱包資材をホームセンターで購入しておきましょう。

 それと最寄りの運送会社を訪ね、料金の確認をしておきます。
どれくらいの荷物がいくらくらいの料金で送れるのか。事前に
確認して、しっかり料金体系に組み込まないと、思った以上に
送料がかかって損をしたってことにもなりかねません。
 ある程度取引量が増えれば、割引価格での交渉も可能ですが、
開業当初は通常料金での発送になると考えておいていいでしょう。

 こうやって見れば、申請後許可が下りるまでの間にも、なか
なかやるべきことは多いですね。仕事をこれ一本で考えている
人には問題ないかもしれませんが、会社勤めをしながら、副業で
ネットショップをやりたいって考えている人には、ちょっと大変な
作業かも知れません。

 副業に考えているのでしたら、あまり慌てず自分なりのペースで
作業を進めていけばいいでしょう。ただし、あまりにもノンビリして
いると「営業していない」と判断されて、許可の取り消し処分の可能性
もありますので、ご注意を。
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古本屋になるには 古物商申請その9

 今日は、申請手続きについて。

 申請書が出来上がったら、それを警察署に持っていくわけですが、
古物の担当者がいつもいつも署にいるとは限りません。申請書を
貰いに行く際に、警察署の電話番号も聞いていおいて、書類が完成
したら、電話で担当者に訪問のアポを取るようにすれば、時間の
ロスが減らせて効率的です。

 警察署に持っていく前に、次の事項をもう一度確認しましょう。

・書類に書き間違い、書き漏れはないか
・正・副2通と自分用の控えを用意できているか
・添付書類は揃っているか

 申請書類以外の持ち物として、次のものを忘れないでください。

・申請手数料(19,000円)
・筆記用具(空欄にしておいた日付欄等を記入します)
・印鑑(訂正があった場合に必要なこともあるので、持っていくのが無難です)

 申請手数料は、とりあえず現金で用意しておきます。で、担当者に書類を
チェックしてもらって不備がなければ、都道府県証紙を購入して納付するように
すればいいでしょう。購入するのは証紙です。収入印紙ではない
ので、お気を付けください。

 証紙は、たいていの場合警察署内に売り場があると思います。担当者に
どこで購入すればいいか尋ねたら教えてもらえるでしょう。申請手数料は、
19,000円(2014年8月現在)。これは全国共通です。4月の消費税率アップの
際にも、手数料は据え置かれましたが、来年度以降はどうなるか不明。
申請前にきちんと担当者に確認してください。

 なお証紙は、切手のようなもの。地域によっては、証紙を貼付する用紙を
貰えるかもしれません。その場合は貼付してもOKですが、購入したままの
状態で担当者に手渡せば、担当者が勝手に処理してくれる地域もある
ようです。その地域の担当者の方式に合わせておけば問題ないでしょう。

 さらにいえば、手数料の納付先も、古物の担当者に直接納める場合と、
会計係のような別の部署で納める場合があるみたいですので、これも
担当者にしっかり確認してください。

 無事、申請書類が提出できたら、自分用の控えに受理印を貰います。
この日付が、警察署が書類を受け取ったという日時の計算の起算点になり
ます。いつ頃に許可が下りるかの目安になりますので、忘れず受理印を
押してもらいましょう。

 申請が終わっても、すぐに古物営業ができるわけじゃありません。許可が
下りるまでには一定の期間があって、だいたい申請後40日ほどは必要な
時間だと思っておいてください。
 地域によっては申請の混雑状況などの都合で、もう少し伸びる場合もある
かもしれません。申請するときに、担当者におよそどれくらいで許可が下りる
のか尋ねておいた方がいいでしょう。

 さぁ、これで無事申請が終わりました。意外と簡単だったでしょ?

古本屋になるには 古物商申請その8

 昨日までで申請書本体の3枚は書きあがりました。今日は、添付
書類について。

 添付書類は普通は1通でOK。しかし、担当者によっては、念のため
2通ほしいと言われることもあるので、提出用に2通用意しておいた方が
無難です。ただ、公的書面は発行にお金がかかるものも多いですので、
そんな場合にはコピーで十分でしょう。

 自分用の控えもコピーしておくと便利です。ですので、結局は申請書
同様、全部で3通用意しておくのが便利でしょう。

★住民票
 ……申請書記載の住所が間違いないか確認するためのもの。
  ですので、申請書の住所は住民票通りに書き写します。
  世帯全員のものを用意する必要はありませんが、申請人の
  本籍地・筆頭者の記載のあるものを発行してもらうこと。
  使用目的を告げて窓口で問い合わせれば、適切なものを
  出してもらえるでしょう。

★履歴書
 ……最終学歴と過去5年間の略歴を記入して提出します。
  地域によって、求められる履歴内容が異なる場合も
  あるので、事前に担当者に何をどの程度書けばいいのか、
  確認しておきましょう。
   用紙は市販のものでOK。最近はB5サイズのものも
  よく売られていますが、申請書のサイズに合わせて
  A4サイズのものを選んだ方がいいでしょう。写真も
  忘れず貼付します。

★誓約書
 ……申請の欠格事由に該当しないことを誓約する書面です。

★登記されていないことの証明書
 ……成年被後見人、被保佐人でないことの証明書です。
  以前は東京法務局でしか発行していなかったのですが、
  今は各地の地方法務局で発行してもらえるようになり
  ました。それでも、最寄りの法務局まで出向くのは大変
  という人もいるでしょうから、そんな場合は郵送で
  書面を取り寄せることも可能です。
 
   以上のものは、申請人以外に管理者がいれば、管理者の
  分も提出します。申請人が管理者を兼ねる場合には、
  申請人の分だけでいいですが、誓約書については申請人の
  分と管理者の分ということで、同じものを2通提出します。
  (地域によって扱いが違うかもしれません)

★URLを証明する書面
 ……ネット販売をする場合には、販売サイトのURLを届け
  ますが、本当に申請人がそのサイトの管理権限を持っている
  ということを証明する資料を提出します。プロバイダとの
  契約書やサーバー会社から送られてきたメールなどがこれに
  該当します。
   書類はコピーで可。警察署に提出する段階で、パスワード
  とかは黒く塗りつぶしておきましょう。いくら相手は警察
  とはいえ、何かのはずみで情報が漏れてしまってサイトの
  パスワードが知られてしまったら、思わぬ被害に発展する
  可能性もあります。重要な情報の扱いにはくれぐれも注意
  してください。

★契約書・同意書等
 ……営業所が持家でない場合には、そこの使用権限を証する
  ための契約書や、商業目的で使用することを許可する
  オーナーの同意書の提出が求められる場合があります。
  地域によって扱いが異なるようですので、事前にしっかり
  確認しておきましょう。

★地図等
 ……営業所の所在地を記した地図や、外観写真の提出を求め
  られる場合もあります。これも担当者と綿密に打ち合わせを
  して、準備万端に整えてください。
   地図は住宅地図や、ネットで公開されているものをプリント
  アウトして使用してもいいでしょうが、丁寧に書くのであれば、
  手書きでもいいでしょう。営業所の場所を○で囲み、「営業所」
  とか「申請地」などと記入しておけば、見やすくなります。

 
 以上で、およその添付書類は準備できました。ただしケースに
よっては、他の書面の提出を求められる場合もあるでしょうし、
担当者にしっかり確認してください。
 また、法人の場合には他に定款や登記簿などの提出も必要です。

 添付書類が欠けているだけでも申請は受理されませんので、十分に
注意しましょう。

 これで申請書類はすべて完了。あとは、申請するだけ。ということで、
明日はその申請手続きについてです。

古本屋になるには 古物商申請その7

 申請書3枚目。

「電気通信回線に接続して行う自動公衆送信により公衆の
閲覧に供する方法を用いるかどうかの別」……なんて難しい
表現がされていますが、要はネット販売を行うかどうかの
記載です。

 自分でサイトを開設し、ネット上で販売する場合には
「1.用いる」を選択します。ただし、ヤフオク! などの
インターネットオークションに参加するだけの場合には、
「2.用いない」としていても構いません。

 「2.用いない」としておいてから、事業規模を拡大する
段階で「1.用いる」と申請しなおすことも可能なので、
じっくり計画を立てましょう。
 「1.用いる」を選んだ場合には、URLを証明する書面の
提出も必要になってきます。そうすると、サイト開設のための
サーバー代もかかりますし、すぐにネット販売を手掛ける予定
がなければ「2.用いない」としておいていいでしょう。

 具体的なサイトプランがないけれど、とにかくネットを
通じて古本を売りたいという人には、まずはオークションに
参加して、ネットでの相場価格などの知識を養うことをお勧め
します。意外と、自分が思っている価格と売れる価格との間に
差があるものですから、本格的な販売を開始する前に、その
ことは実感しておいた方がいいでしょう。

 「送信元識別符号」……これも難しい表現ですが、商品販売を
行うサイトのURLのことです。一字一句間違わず、きちんと
書きます。
 アルファベットの「o(オー)」と数字の「0(ゼロ)」などのように間違え
やすい文字については、下にルビを振ってほしいと言われることがあり
ます。そんな場合は、担当者の指示に合わせて、柔軟に対応しましょう。

 なお、登録するのはトップページのアドレスだけでOKですが、
いくつもサイトを立ち上げ、あちこちで商品販売を行うって場合
には、その全てのサイトを登録する必要があります。

 古本だけを扱う場合でしたら、一つのサイトで十分かもしれ
ませんが、CD、ゲーム、フィギュア、楽器など他の品目も
扱う場合には、別サイトで売り出した方がお客さんにはわかり
やすいかもしれません。何でもかんでも売っているサイトですと、
ごちゃ混ぜ感が出てしまいますので。

 また古本だけ扱う場合でも、文芸書とコミック類ではお客さんの
層が異なるので、別サイトにして、それぞれのサイトごとに情報
発信できるのであれば、その方がより専門性の高いサイトとして、
支持を集めやすくなるかもしれません。
 ただし、サイトが増えれば手間も増えますし、有料サーバーを
用いる場合には金銭的負担も大きくなります。選択肢の一つとして
検討してみるのはかまいませんが、最初からあまり張り切り過ぎて
息切れすることがないようにしてください。

 ここまでで申請書は書きあがりました。これを正本、副本、控え
の3通用意して(コピーで可)提出します。

 意外と簡単でしたね? でも、これだけでは不完全です。添付
書類も忘れず用意しなきゃいけません。

古本屋になるには 古物商申請その6

 申請書2枚目。営業所に関する事項を記入します。

★形態
 ……「1・営業所あり」に○。ネット販売だけをする場合でも、
「営業所あり」としておきましょう。今では「営業所なし」の
 申請はほとんど考えられないそうなので、「あり」として
 おいて特に問題はないでしょう。

★名称
 ……個人で許可申請する場合でも、お店の屋号を名乗って
 活動するのであれば、ここにその名称を記入します。

  覚えやすい名前、分かりやすい名前がいいですが、その他にも、
 近隣の市町村でよく似た名前の同業者がいないかチェックした
 方がいいでしょう。私は、最初に定めた店の名前とよく似た名前の
 お店があることを後から知ったため、名称を変更したことがあり
 ます。商売上、類似の名前を使っていると、お客さんに混乱を
 与えますし、トラブルになることも考えられるので、気を付けた
 方がいいでしょう。

★所在地
 ……ここはあくまで「営業所」の所在地を書く欄。自宅を営業所
 として届け出る場合には、空欄のまま提出します。テナントを
 借りるのであれば、そのテナントの住所を記入。

  営業所が賃貸の場合には、その契約書やオーナーの同意書が
 添付書類で必要になることもあります。また持家でも、商業利用が
 禁止されている場合には、不許可になる場合もあります。

  営業所の許可基準は、ある程度地域の公安委員会によって差が
 あるみたいですので、事前に窓口で相談し、問題がないかしっかり
 確認しておいた方がいいでしょう。

★取り扱う古物の区分
 ……ここでは、取り扱う商品全てに○をつけておきます。数に制限
 はないので、扱う可能性があるものは、とりあえず申告しておい
 た方がいいでしょう。古本屋として営業するのですから、「12.
 書籍」の欄だけは絶対に漏らさないようにしてください。

  ところで、公安委員会の申請書には、CD、DVD、ゲームソフト、
 フィギュアといった項目がありません。これらは古本屋の中にも
 扱う人が多いのですが、どうも申請書は古本屋のニーズには対応
 していないみたいです。
  ですので、これらを扱いたい場合、事前に担当者に相談しておいて、
 どの項目に含めて申告すればいいか問い合わせておきましょう。
 CDやDVDなら「事務機器類」や「道具類」、フィギュアなら
 「美術品類」などのカテゴリが考えられますが、担当者の指導に
 合わせておいて問題ありません。

  まぁここでの申告は一種の参考程度のものなので、あまり気にする
 必要はありません。実際に営業をはじめて、品目が増えそうだったら、
 その都度追加申請をするという方法でもいいでしょう。特に費用は
 かかりません。

★管理者
 ……個人申請の場合、たいていはご自身の名前を書くことになるかと
 思います。家族経営を考えている場合には、家族の名前を書く場合も
 あるかもしれないですね。

  管理者にも一定の要件があります。申請人同様、成年被後見人や
 被保佐人の場合は認められません。営業所からあまりにも離れた
 ところに住んでいる場合なども、営業所の管理が不可能と判断されて
 不許可となるでしょう。また、その営業所の管理的立場にないと
 いけませんから、いざという時に、商売のことが何もわからないと
 いう人ではいけません。

 ・・・はい、これで申請書2枚目は終わり。明日は3枚目です。