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百科事典専門店?

 もし皆さんが古本屋を始めたいと思った時、真っ先に知って
おかなければいけない、買取相場というものがあります。
 それは、百科事典の相場というものです。ズバリ・・・

 0円!!(買取不可)

 です。これは大型店、個人店関係なく、全国共通の相場です。
百科事典にお金を支払って買取る店というのは、ほぼないでしょう。

 百科事典は、まず売れません。最近はインターネットが普及して
いますからねぇ。何か調べものをするとしても、百科事典をめくって
調べるってことは、ほとんどなくなりました。
 売れたとしても、大した金額では売れません。需要と供給の関係で
そうなります。百科事典は、市場にあふれかえっています。でも、
欲しいって人はそれほどいない……。そうすると、商品価格は下がる
一方です。

 管理も大変です。場所を取りますし、1巻でも欠けたら何の値打ちも
なくなります。他の商品を仕入れたときに、ちょっと場所を移動させたい
と思っても、重たいですから一苦労。
 売れ残って、結局、廃棄処分するだけというのがオチです。

 というわけですから、どこのお店でも百科事典は買取りません。何十万
円も支払って揃えた本が1銭の値打ちもないっていうのは、お気の毒では
ありますが、これも商売。お客さんには、きちんと説明してご納得いただく
しかありません。

 私もこの仕事をして初めて知りましたが、本当に、百科事典というのは
よく出てきます。もし、皆さんにその気があるのでしたら、百科事典を
集めまわって百科事典専門店を開くことくらい、わけないですよ。集める
だけでしたら、簡単にできます。でも、それを売って商売にするのは難しい
と思いますが……。
 ごくたま~に百科事典も売れないわけでもないですから、場所に
余裕があれば、1セットぐらいは用意しておいてもいいかもしれませんが、
専門店となると。。。

 ちなみに、私は過去2度ほど百科事典に値を付けて買取っています。

 1度目。これは忘れもしません。初めての出張買取の時です。無事、
売ってもらえるだろうかとドキドキしながらの訪問でした。その時
出てきた本の中に、百科事典がありました。
 いくら開業間もない頃とはいえ、もちろん百科事典の相場というものは
知っています。それでも、私は値段をつけました。初めての買取が失敗に
終われば、この商売そのものがうまくいかなくなる気がしたのです。
いわば縁起を担ぐため、絶対に買取を成功させるという強い意志で値段を
付けたわけです。
 この時仕入れた百科事典は、結局売れることなく廃棄処分をしました。
買取金額は無駄になってしまったのですが、それでも縁起を担いだのが
良かったのか、その後も買取がなくて困るってことだけはありません。
自分の心意気を示すって意味では、あの買取は間違っていなかったと
思っています。

 2度目。これも開業間もない頃の話です。
 少し遠方の地域に、買取に伺いました。出てきたのが、百科事典。
今回はコレだけです。電話がかかってきたとき、百科事典だけという
お話でしたから、そのことは分かっていました。普通なら、百科事典だけの
出張買取はお断りするのですが、今回うかがったのには理由がありました。
海外の百科事典で、物珍しさもあって売れるんじゃないかと考えたからです。

 ENCYCLOPEDIA AMERICANA 全30巻

 立派な装丁で、本棚に飾っているだけでも知的な空間を演出できます。
実際に頁をめくって何か調べるってだけでなく、部屋に飾ってインテリアに
するって用途も考えられるんじゃないかって思い、特価価格で売り出した
のですが、残念ながら売れませんでした。大手サイトで売り出したんですが、
アクセス数はそこそこありましたから、まったく魅力のない商品だったって
わけでもなさそうです。ただ、すごいボリュームですから、部屋での置き場所
を考えて、購入は控えたって人が多かったんでしょうね。

 この本も、結局、廃棄処分。買取金額のほか、遠方でしたのでガソリン代
まで無駄になったわけですが、ただ古書店主としては良い勉強になったと
思っています。

 まぁ私のこんな体験談を語ったところで、実際に体験してみないと分から
ない部分もあるはず。古本屋を開業したら、勉強のため一度は百科事典を
扱ってみるのもいいかもしれませんよ。
 とはいえ、私の店ではゴメンナサイ。もう百科事典は買取れませんので、
あしからずご了承くださいませm(__)m
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「いいとも」最終回

 「笑っていいとも!」が最終回を迎えました。昔はよく見ていました
が、最近はあまり見なくなったなぁ。でも、記念の回なのでちょっと
視聴。32年間、8054回の放送回数は、番組最後でギネス記録にも認定され
ました。

 すごいですね。私のブログの更新回数も、そこまでいくかな? (^^)
 32年間、お店を続けるってのも、相当大変なこと。今から考えると
気が遠くなるので、あまり考えないでおきますwww

 さて、司会者のタモリさん。何冊も本を出されていますが、個人的な
想い出を少し。

タモリ「タモリのケンカに強くなる本」

 というのがあります。もう今から20年以上も前に、友人に借りて読んだ
記憶があります。面白かったですよ。お笑い本なんで、じっくり読んで
何かを考えさせられるってタイプの高尚な本ではないですが、当時、
中学生だった私にも、スラスラと読めて大笑いできる本だったのです
から、さすがと思います。

 芸能人の本というと、ゴーストライターが書いたものだとよく言われ
ますが、この本はどうだったのでしょうかね? ゴーストライターだった
のかもしれませんが、語り口調といい、笑いのセンスといい、テレビで
よく見るタモリさんの性格が出ている気がしましたから、ゴーストだと
すれば、相当ご本人のファンの方が書いたんじゃないかって気がします。

 この本、ふとネットで相場を調べてみれば、随分高額になっていますね。
アマゾンでは8,000円以上の値段で出ています。出品数も少ないみたいです
し、「いいとも!」最終回に合わせて高額で売りだしているってだけでは
なさそうです。随分、増刷されて市場に出回ったはずなのに、今となっては
レア本になっているのかもしれません。

 一般にタレント本というのは、人気絶頂期の時が古書価も高く、人気が
落ちたら価格も下落し、メディアに出てこなくなったら大半がタダ同然の
相場に落ち着くものです。
 いくらタモリさんが人気タレントとはいえ、あの本がそこまでの価格で
取引されるってのは、ちょっと疑問に思うのですが……お笑い本という
性質上、一回読んだら用済み。チリ紙交換に出されて消えてしまったのも
多いのかもしれませんね。とすれば、8,000円という強気の価格もあながち
間違ってはないかもしれません。

 とはいえ、古書の価格は流動的。「いいとも!」の最終回でテレビに出る
回数が減っていき、タモリさんの知名度が時とともに落ちていけば、いくら
珍しい本だからといって、今のような高額を維持するのは難しいかもしれま
せん。古書の世界でも、需要と供給の経済原理は働くものなんですよ。

 それはともかく、32年間お疲れ様です。私の店もタモリさんを見習って、
少しでも長く続けられるよう、頑張っていきたいです。
 

本の買取と年代

 古書の買取の際、本のジャンルには比較的柔軟に対応するお店が多い
ですが、一方で本の発行年には厳しい買取条件を定めているお店も多い
ですね。
 大手の新古書店では、発行年が古いと極端に買取金額が落ちたり、
バーコードやISBN番号のついていない本は買取らないという方針を
定めているところが多いようです。実際、そういった大型店に買取を
断られてから、当店に電話をしてくる人もけっこういます。

 大型店で買取らない本なんだから、何の値打ちもない本かといえば
決してそんなことはなく、1冊数万円の高額で売れることもあります。
 そんな「お宝」本を取りこぼすなんてもったいない……って思われる
かもしれませんが、実際にはそういった高額本はわずか。それらを
探し出す手間、担当者の目利きを養う手間などを考えたら、そこを捨て
て比較的新しい本の扱い量を増やすことで、利益を生み出そうという
ビジネスモデルなんですね。

 大型店はそういった大雑把な商売でもやっていけますが、個人店
では、大型店のようなそういった取りこぼしをしっかり防ぐことが
大事。たいていの個人店では、ココが主力商品になってきます。

 個人店でも、古い本は扱いませんって宣伝してらっしゃるお店が
あります。でも、大型新古書店との競合のない地域でなら、そういう
商売もできるかもしれませんが、そうでなければなかなか厳しい
でしょう。買取金額、販売金額ともに資本力の差で大型店にかない
ません。

 古い本の中にも価値を見いだす……これこそが、個人経営の古本屋の
醍醐味だと思うのですがねぇ。

古書買取の専門性

 買取依頼の電話がかかってきたとき、「どんな本を扱っている
のですか?」と尋ねられることがあります。古書店には、それぞれ
得意分野があって専門外の本だと買取ってもらえないってイメージが
強いみたいですね。

 でも実際は、そのお店の専門外の商品を持ち込んでも、完全に買取
対象外にされるってことは稀なはず。自分の店では専門外でも、その
本を得意とする他店に回すってことも考えられますし、ある程度は
専門外の品も売っているのが普通だからです。
 当店でも、買取ジャンルに制限はございません。文芸書だろうが、
専門書だろうが、写真集だろうが買取りますし、洋書や和装本も
扱います。

 ただし、各店の専門性によって、買取金額に差が出ることは考え
られます。でも、専門分野だからといって高く買い取ってもらえる
とは限りません。
 たとえば、音楽関連の本を売りたいと思ったとしましょう。だったら、
その分野に強いお店に持っていけば高い値がつきそうなものですが、
その本がそれほど珍しい本でなければ、専門店には既に何冊も入って
いるということも考えられます。そうなると、在庫過多の状態になる
ので買取金額は低くなるのが普通です。逆に、専門店でなければ、
その本の市場価値が分からず、買取相場以上の値段で買取るって
こともあるかもしれません。

 結局、どこの古本屋が一番高く買い取ってくれるかってのは運次第。
何回か実際に売ってみて、各店の買取傾向をご自身で把握されるのが、
一番賢いやり方かもしれません。
 でも、大量の蔵書家ならともかく、たいていの方は一度古本屋に
買取を依頼したら、しばらくは用無しってのがフツー。としたら、
その店の主人や買取担当者を見て信用できるかどうか、大事な本を
売るわけですから、そこをしっかり判断してください。

 本の買取……店は、本の買取金額を査定しますが、お客さん側も、
その店の人間性をしっかり査定する。そういった時間なんですよ。
どうも信用できない。買い叩かれているんじゃないか……そう思った
ら、その店では売らないということも選択肢に入れておいてください。

雨にも負けず

 ちょっと見にくいかもしれませんが、昨日より随分桜が咲いてきました。



 でも、今日は朝から雨。しかも風も強いです。

 不思議に思うのは、これだけ強い風が吹いていても、ほとんど桜が
散っていないこと。満開に咲き誇った後だったらアッサリと散って
しまうのに、なぜなんでしょうね?

 パッと咲いて、パッと散る。その潔さが日本人の美意識に合致してか、
国民に広く愛されている桜。でも実は、潔さだけでなく満開を迎える
までは簡単には散ってしまわないしぶとさも兼ね備えています。

 諸行無常、盛者必衰の世の中。個人店も大企業も、やがては消えて
いくのも世の定め。私の店とて、例外ではありません。残念ですが、
いつかはこの世から消えてゆくもの。寂しいですが、仕方ありません。

 いつか消えゆく運命は仕方ないにせよ、それでもせっかくこの商売を
始めたのです。パッと一花咲かせてから散りたいもの。大きな仕事は
できなくても、古書業界で自分なりの仕事をすることができたら……
そう切に願っています。
 私の店は、開店したばかり。まだまだ満開には程遠い。出版不況や
若者の活字離れ、大型店の進出に消費増税……。苦しい局面は続きますが、
今日の桜を見習って、満開を迎えるまでは決して散ることなく、耐え忍んで
いきたいと思っています。

消費税増税の前に

 いよいよ、消費税アップ。近所のスーパーでは、4月1日を臨時
休業にして、値札の貼り替え作業を行うそうです。大手新古書店
でも、税込価格と税抜き価格が混在していたりと、ちょっと複雑な
料金体系になっているところもあるみたいです。

 個人経営の古書店でも、対応は分かれているみたいですね。ある
古書店の目録を見たら、大正時代の本が31,500円で売り出されて
います。この1,500円分はおそらく消費税。ってことは、4月からは
32,400円になるのでしょうか?

 随分以前の税務署の指導の影響で、長らくの間、価格表示は税込
価格が基本とされていました。古本業界でも同じ。100円均一本とは
いっても、シッカリ「税込105円」と記載されていたはず。多くの
個人店でも、同じ対応だと思います。商品に付けられている値札は、
税込み価格。レジに持って行ったときに支払う総額であることが
普通です。

 でも、個人の古書店は大変ですよ。
 第一に、品数が多い。いくら個人店とはいえ、古本屋を名乗る以上、
そこそこの品数があるのは普通。しかも、基本的に1点ものなのです
から、同じような本でも本によって価格は異なります。総額表示という
ことは、これら全ての値札を貼り換えなきゃいけません。

 第二に、長年売れない商品が多いという特色があります。品数の
多さはスーパーも同じですが、スーパーに1年前入荷した商品がその
まま残っていることって稀なはず。ところが、古書店ではそんなこと
よくあります。1年どころか、もっと長い期間棚に置かれていることも
あるかもしれません。いや、それどころか、消費税が導入される前から
置かれている商品だって、あったっておかしくない商売なんです。

 としたら、もともと昭和の時代、消費税なんか考えず利益計算して
値札を張った商品が、消費税3%、5%の時代をくぐり抜け、今なお
店に並んでいるってこともあり得ます。

 消費税アップの際の店主の対応は3つ。増税分を別途請求するか、
値札を全て付け替えるか、増税分を店で負担するか。別途請求する
のはお客さんに支払総額がわかりにくくなります。値札を付け替える
のは膨大な手間がかかりますし、値札を剥がす際に本を傷める可能性も
あります。かといって値札を剥がさず、上から増税額を書き込んで
修正するのも、何だか値上げしたみたいで印象悪い……。

 そういうわけで結局、増税分を負担するってお店も多いと思いますよ。
何十年も前に仕入れた商品が、店の片隅で誰の手にも渡らず、ひっそり
時を過ごしてきて、ようやく平成の今になって売れた! って何だか
歴史のロマンを感じるかもしれませんが、店側としては複雑な心境も
あるはず。
 だって、その値付けには消費税は考慮されていないんですから。それ
なのに8%分の消費税相当額は持って行かれるわけですから、ほとんど
店側に利益は残らないでしょうね。物価上昇率を考慮したら、ひょっと
したら原価割れの商品もあるかもしれません。

 まぁ、そんなことにならないよう、あまりにも長期間売れない商品は
廃棄処分するなどして対応しているかもしれませんが、それでも
個人的に思い入れのある商品は、なかなか捨てられないもの。いい人に
譲ってもらったとか、読んでみたらいい本だったとか。。。そんな本は
簡単に捨てられなくなって、しかもちょっと相場より高い値段を付け
ちゃったりして、なかなか売れなくて店に残ってしまうこともwww
 お店で、ふる~い値札を見つけたら、店主の苦労を思ってあげて
ください(笑)

 さて、当店のスタンス。ウチでは、商品はすべて税込価格で記載
しています。4月以降も値上げはいたしません。まぁウチは当面は
課税免除事業者になることでしょうが(基準期間の売上が一定額を
超えないと、消費税の納税義務がないんです。つまり、見込として
消費税を納付できるほどの売上高は、しばらくなさそうってこと
です(>_<) )。

 今回の8%に対応しても、すぐまた10%への対応を迫られます。
課税事業者に該当する個人店の方は、けっこう大変だと思いますよ。
でも、私も早く課税事業者になりたいものです。

新古書店について

 おはようございます、ロビンです。
 昨日は、ネット売上なし(>_<) まぁ大手サイトで出店している
わけじゃないですし、最初はこんなものかな。めげずに頑張るぞ!

 昨日、「新古本」なる言葉について説明しました。今日は、その話の
つづき。

 新古本=再販制度の枠外で流通する本

 と説明しましたが、実は、別の意味で使っている人もいます。

 新古本=比較的新しい古本

 って意味。この意味だと、比較的新しくはあるものの、一度は人の手に
渡ったものなんですから、中古品。同じ言葉なのに、人によって意味する
ものが違うのは不便といえば不便ですが、それは「古書」って言葉も同じ。
その人、その店での用法、文脈などから「あ~、こういう意味だな」って
理解しなくちゃいけません。

 「新古書」なる言葉もあります。これも「新古本」同様、2つの意味
合いで使われているみたいですね。「再販制度の枠外で流通する本」って
意味と、「比較的新しい古本」って意味。

 でも、「新古書店」といった場合には、ちょっと意味合いが違います。
おそらくこの言葉のもともとの語源としては、「新古書を扱っている店」
って意味だったのでしょう。そして、この場合の新古書とは「比較的
新しい古本」のこと。大手新古書店では、バーコードのついていない本を
買取らないってシステムを採用していたりします。古すぎる本は、店の
主力商品じゃないんですね。

 新古書を扱うお店だから、新古書店。分かりやすい言葉ですが、最近は、
資本力のある企業や、全国にフランチャイズ展開している古本屋の形態を
指す言葉として使われることが多いようです。

「これまでの古本屋と違って、新古書店では……」

 こんな文脈での使われ方でしたら、それは新古書店は従来の古本屋・
古書店に対する言葉として用いられています。つまり、

 新古書・店

 ではなく、

 新・古書店

 ってニュアンスですね。今までと全く違う営業形態ですよってアピールの
意味合いもあるのでしょう。

 ところで……私も、古物商を取得してまだ数年の新米。古書店としては、
新しい存在なわけで、そういう意味では私の店も「新古書店」には違い
ないと思います。
 とはいえ、新古書店と聞いてネットショップをイメージする人はほとんど
いないはず。どうしても大手チェーン店の方が目立ちますから、そういった
ところに「新古書店」のイメージは引っ張られますね。

 でも、私自身の気概としては、従来の古本屋でできなかったことをやって
いきたいって気持ちは持っています。この心意気は、大規模店に負けるところは
ありません。
 ただ大型店と違うのは、古くてもいいものは大事にしたいと思っていること。
バーコードがついていないからとか、ヤケがひどいからといって買取不可とは
しません。多くの人に勧めたい本だと思ったら、精一杯の値段をつけさせて
もらっています。

 だからウチは、新古書店の進化形態・・・いわば

 新・新古書店

 なんです! カッコいいでしょ?(笑)

 やっぱり古本屋の基本は、古くてもいい本を売ること。ここを忘れちゃいけない
と考えています。

新古本とは?

 ふと気づいたら、今日はまだ何も本の話をしてなかった……。
ということで、本に関する話題。以前、「古書」と「古本」の
違いの話をしました。今日は「新古本(しんこほん)」なる言葉
について説明したいと思います。

 「新古本」……考えたら不思議な言葉ですね。新しいのか、
古いのか、どっちなのよ? って感じです。イメージとしては、
新刊書籍と古本の中間形態。完全に新刊本とは言えないけれど、
だからといって中古の本ではありませんよ、という意味合いです。

 新刊書籍の場合、日本全国どこの本屋で購入しても同じ値段で
買うことができます。本には再販制度というのがあって、全国
一律の価格が実現しているのです。
 でも、これは通常の流通に乗った本のハナシ。いったん、消費者
の手に渡ってしまった本は、いくら綺麗でも「中古品」。再販制度の
適用はないので、各店が自由気ままに値段をつけることができます。
古本屋が、定価よりも安い値段をつけたり、逆に定価以上の価格で
売り出しているのは、このためです。

 では、「新古本」とは、どんな本か? 新刊書店で売れ残った
本は、最終的に出版社に返品されます(そうじゃない場合もあり
ますが……)。そういった返品された本を再販制度の枠外で
流通させたもの。それが、「新古本」です。消費者の手に渡った
ものじゃないから「古本」ではない。でも、一度返品されたもの
だから、完全に「新刊」とも言えない。そんな感じです。
 新古車って表現がありますが、あれと同じ意味合いで考えれば
いいかと。

 バーゲンブックとか、ゾッキ本、特価本なんて言い方もします。
「赤本」って表現もあるのですが、最近では「赤本」という言葉は
受験対策の過去問集の意味合いで使われることが多くなって、
新古本を意味する言葉としては、あまり耳にしません。

 さて、この新古本。どこで売られるかというと、新刊書店で
売られることもあれば、古本屋で売られることもあります。
でも最近は、新刊書店の片隅で「バーゲンブック」と題して販売
されることが多いですかね。
 以前は、古本屋にとってけっこう主力商品だったそうですが、
もともと返品されるような品なんだから、あまり売れないかも。
綺麗な本が欲しければ新刊書店に行けばいいわけで、わざわざ
古本屋で扱う必要ない気もします。

 ウチの店でも扱っていません。でも、新古本が消費者の手に渡って
完全な中古本となったものを引きとることはあります。新古本である
ことは、本にマークが入っていたり、スタンプが押されているので
すぐ分かります(中には分かりにくいのもありますが)。

 お客さんの立場では、新古本だろうが、古本だろうが、いい本が
安く読めればそれでOK。あまり気にしていないかもしれません。
でも、買取る立場からすれば、その本の市場価値、希少性というのは
大事。新古本を高額で買取るってことは、なかなかできないです。
精一杯、頑張りますけどね……。
 古くて新しい、そんな不思議な新古本の話でした。

市外局番

 街を歩いていると、様々な看板広告を見かけます。この広告、
電話番号が書かれているのですが、よく見ると市外局番の抜けて
いるものが結構あります。

 ず~っと昔から営業していますってお店に、多いみたいですね。
ヨソの地域のことは知らん、ウチは地元の人だけに愛されていれば
それでいいんだ! ってポリシーなのかどうか分かりませんが、
不親切に思うのは私だけでしょうか?

 地域ボランティアの会合で弁当を頼みたいって時に、いくら
美味しくて安いと評判でも、わざわざ他県のお店に頼むことは
ないでしょう。ですから、こういった商売でしたら地元の人に
知れ渡っていればそれでOKって考え方もアリだと思います。

 でも、大工さん、診療所、学習塾……といった業種の場合、
多少遠くても評判を聞きつけてお願いしたい、その腕を見込んで
仕事を頼みたいって思う人はいるはず。なのに、広告で市外局番が
抜け落ちていたら、お客さんの側でそれを調べる手間をかけなきゃ
いけないことになります。

 それに、最近の若い世代の人たちには、固定電話を持たない
人も多くなっています。携帯電話だけ。そういう人の場合、
いくら地元に住んでいても、市外局番が分からなければ電話が
かけられません。

 ホームページ、新聞の折り込みや看板の広告、雑誌への掲載や
名刺。いろいろと宣伝の手段はありますが、「あ、いいな」と
思った時に連絡できることは、最低限必要な情報。市外局番を
書き込むくらい、大して手間がかかるわけでも、費用がかかる
わけでもありません。それぐらいは、キッチリ記入してほしい
と思います。

 私のサイトでも、キッチリ市外局番書いていますよ。

 た・だ・し!

 これは買取依頼専用ダイヤル。電話での注文は、受け付けて
いません。当店で扱っている商品は、古本。基本的に1点もの
なんです。1点売れたら、それはもう売切れ。複数のご注文を
お受けすることができないんです。
 ですから、同じ商品に複数の方がお申込みされた場合に、その
先後が不明になるのを防ぐため、必ずメールにてご注文いただく
ようお願いしております。

 ご不便おかけしますが、ご協力お願いいたしますm(__)m

サクラサク

 まだわずかですが、私の住んでいる地域で桜がチラホラ
咲き始めました。まだまだ寒い地域もあるとは思いますが、
少しばかり春の気配をおすそわけ……。

sakura.jpg

 携帯のカメラを使ったので、少し写り具合がイマイチなのが残念。

 ふと見たら、私同様サクラの写真を撮っている人が……。あの人も
ブログに載せるのかな? みんな、考えることは一緒だったりして(笑)