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あらすじの注意点

 私は、本のあらすじを読みません。話の予想がついてしまった
ら、面白くないというのが主な理由ですが、他にも理由はあります。

 それは、あらすじを読んでもどんな物語かわからない場合がある
ということ。あらすじを書くのは作者じゃありません。本の編集者
が、読者の購買意欲をそそるために書くわけです。売らなきゃいけ
ないから、とりあえず書くけど、文章が難しくて話がよく分からな
かったって場合もあるはずなんです。

 たとえば、夢野久作「ドグラ・マグラ」の文庫本(角川文庫)。
裏表紙には、このような記載があります。

 「ドグラ・マグラ」は、昭和10年1500枚の書き下ろし作品と
して出版され、読書界の大きな話題を呼んだが、常人の頭では
考えられぬ、余りに奇抜な内容のため、毀誉褒貶が相半ばし、
今日に至るも変わらない。
 <これを書くために生きてきた>と著者みずから語り、10余年
の歳月をかけた推敲によって完成された内容は、著者の思想、
知識を集大成する。これを読む者は一度は精神に異常をきたすと
伝えられる、一大奇書。


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 どうです、どんな内容だかサッパリ意味不明でしょう(笑)
それもそのはず。この本、本当に意味不明なのです。小説です
から、ストーリーはあるのですが、でも本当のところ、そういう
読み方でいいの? って読者が混乱する書き方がされている本
なのです。

 というわけで、文庫本の裏カバーには「あらすじ」でなく、
作品の概略的説明しか加えられなかったんだと思います。
確かに不思議な本ですが、読んだからといって精神に異常を
きたすはずもなく、この部分はいわば誇大広告。これを真に
受けて、読む、読まないの判断はできないですね。

 もう一つ、例を紹介。講談社文庫から出ている村上春樹
「スプートニクの恋人」の裏表紙より。

 22歳の春にすみれは生まれて初めて恋に落ちた。広大な
平原をまっすぐ突き進む竜巻のような激しい恋だった。それは
行く手のかたちあるものを残らずなぎ倒し、片端から空に巻き
上げ、理不尽に引きちぎり、完膚なきまでに叩きつぶした。
―そんなとても奇妙な、この世のものとは思えないラブ・
ストーリー!!


 この「あらすじ」……何のことはない、この作品の冒頭を
そのまま書き写しただけのものです。「そんなとても奇妙な、
この世のものとは思えない」って部分は、誇張。よくよく
考えてみれば大して中身のない情報だと分かります。結局、
このあらすじ部分で伝えている情報は、この作品がラブ・
ストーリーだということだけ。

 う~ん、でもね~。この作品、ラブ・ストーリーなのかな?
感じ方はそれぞれなので、そういうふうに受け取った人も
いていいと思います。でも、世間一般でイメージされるラブ・
ストーリーとは随分趣が異なります。本文を読む前に、この
あらすじを読んでしまったら、一種の固定観念を持ったまま
作品を読み進めることになってしまいそうですね。

 ……とすれば、やっぱりその本に対する評価は自己責任。
自分が読んで面白い、つまらないを決めるしかない気が
します。

 あまり気にも留めないかもしれませんが、作品のあらすじを
読む際には、あまり参考にしすぎないよう気を付けてみてください。
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