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下村大臣の是正要求について

 地区協議会の決定と違う教科書を使っている沖縄県竹富町の教育委員会に
対し、下村文部科学大臣が、地方自治法の規定に基づき是正要求・・・
こんなニュースが流れました。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140314-00000025-mai-pol

 国が都道府県をすっ飛ばして、市町村に是正要求するのは、なんでも
これが初めてとのことです。国の言い分としては、一定地域内の市町村は
同一の教科書を採用しなくちゃいけないという法律の規定に違反するん
だから、ちゃんと是正してくださいってことでしょう。
 一方、竹富町の言い分としては、教科書の採択権限は地元の教育委員会に
あるんだから、好きに選ばせろ! って理屈のようです。

 実は、両者の言い分、どっちも正しいです。国が主張する法律の根拠は
「教科書無償措置法」。一方、竹富町が根拠として挙げている法律は
「地方教育行政法」。要するに、まったく別の法律で、それぞれに教科書の
決定権限を定めているのです。

(教科書無償措置法第13条4項) 
 採択地区が二以上の市町村の区域をあわせた地域であるときは、当該採択
地区内の市町村立の小学校及び中学校において使用する教科用図書については、
当該採択地区内の市町村の教育委員会は、協議して種目ごとに同一の教科用
図書を採択しなければならない。

 
(地方教育行政法第23条)
  教育委員会は、当該地方公共団体が処理する教育に関する事務で、次に
掲げるものを管理し、及び執行する。
  6号 教科書その他の教材の取扱いに関すること。

 確かに、ドッチの言い分も正しそうです。つまりは、法律の不備。この
二つの法律は明らかに矛盾しますから、どちらが優先するかってことを
法解釈によって定めなくちゃいけません。その解釈の仕方が、国と竹富町で
違っているというわけです。

 どっちの教科書にしろ、きちんと検定をパスしているものなんだから、
別にいいんじゃないの~って気もしますが、米軍基地の記述についての、
政治的思惑もありそうで、なかなか簡単な問題ではないようです。

 でも、実は、そもそもの教科書検定制度自体が、憲法が禁止する検閲に
あたるんじゃないのかって意見もあります。過去にも裁判で争われたことが
あって、でも最高裁では、教科書検定は違憲とはされませんでした。たとえ
教科書として検定不合格になっても、一般図書として出版することは禁止
されないのだから、検閲じゃないよって理屈です。

 古本屋のオヤジとして思うこと。教科書なんて無償で配られるものだから、
市場価値なんてほとんどゼロ。でも、多感な時期にそれを使って学ぶ子供
たちの立場からすれば、重要な問題ですよね。いい教科書を使いたいと思う
でしょうし、いい授業を受けたいと思うでしょう。

 そして教科書というのは、独学用の本じゃありません。あくまで、授業で
使われることを念頭に作られたものです。主は授業。教科書は従です。
では、その主たる授業を行うのは誰か? いわずもがな。現場の先生たち
です。ということは、子供たちがいい授業を受けるには、授業を担当する
先生たちが使いやすい教科書を選ぶのが一番……そう思うのですが。

 個人的には、今回の是正要求は、国の暴走と思います。そもそも全国の
どこででも使われて困る教科書なら、ハナから検定不合格にすればいい
だけの話なんです。現場の先生たちに一番近い、市町村の教育委員会が
決めたことを、国があ~だこ~だいうのは、地方自治の軽視ですし、
決して子供たちの教育のためにもいいことじゃないと思います。

 教科書とはいえ、本。本を扱う人間としては、やはり気になるニュース
ですね。賛否両論あるでしょうが、こういったニュースを通じて、本と
教育について自分なりに考えてみるのもいいかもしれません。
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