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島田紳助/松本人志「哲学」

 最近、買取った本の中に、こんな本がありました。

 島田紳助/松本人志「哲学」

 一時は、流行していた本ですね。でも、正直なところ、今ではあまり古書店
では見向きもされない部類の本でしょう。仕入れた私も、すぐさま業者市に
持込もうかって思っていたのですが、ふと思い立って、改めて読んでみました。
 10年以上昔の本ですが、重版を重ね、文庫化もされていますので、比較的
入手しやすい本です。古書価もそれほど高くはありません。

 著者の二人は、お笑い界のビッグネーム。紳助さんの方は、暴力団との交際が
報じられたのがキッカケになって芸能界を引退しましたが、それでも一つの分野を
極めた方の言葉というのは、含蓄があるものです。お笑い界を目指す人はもちろん、
起業しようとか、新しいビジネスを始めたいって考えている人にも、恐らく考える
ヒントとなることがたくさん含まれた内容だと思います。

 私の印象に残った部分。松本さんの記述の部分です。

 芸人は、負けん気が強いわけじゃない。
 むしろその逆で、ものすごい恐がりなのだ。
 てっぺんにいないと不安でたまらないから、自分の山を作って、その頂上に立って
守ろうとする。これは芸人の習性みたいなものだ。そうしないと、その山を、他の
ものにどんどん浸食されてしまうから。
 そりゃ山の大小はある。高い山も低い山もある、しかし、山の上にいようとすることは
誰でも同じなのだ。
 だから、芸人は絶対に、それぞれ違う山の頂上にいる者同士としてしか喋り合わない。
 自分の山から降りて、人の山に登るなんてことは絶対にしないし、反対に誰かを自分の
山に登らせようともしない。
 そういうことがわかっている人、別な言葉でいえば山が見えて、ちゃんと自分の山を
見つけられた人が、芸人として残っていくのだと僕は思っている。
 自分の山が見つけられなければ、一時はみんなにおもしろがられて脚光を浴びることは
あっても、いつかは消えていくものなのだ。


 ナンバーワンじゃなくていい、オンリーワンの方がいい・・・なんて、一時盛んに言われ
ましたが、この考えは、オンリーワンかつナンバーワンって発想ですね。自分だけの
山を登って、そこでは自分が一番高みにいるわけですから。

 面白いなと思ったのは、この考え方は古本屋にも当てはまると思うこと。お笑い界と
古書業界って、全くビジネスモデルは違う世界ですが、それでも、この言葉は真理。
世の中に数多ある古本屋の中で、その店だけの「売り」・・・そういったものを持たないと、
その他大勢の古本屋の中に埋没してしまって、生き残ることは困難です。

 松本さんは、またこうも語っておられます。

 では、僕はいつ頃、自分らの山を見つけたのか。
 これは正直にいうが、僕の場合はこの世界に入った初日から見つけていた。
 自分は山の上に立っていると、そう思っていた。
「お前ら、早く俺らが山の上に立っていることに気づけよ」
 それが実感なのだ。
 だからこの世界に入った僕が必死で取り組んだ課題は、山を見つけて、もしくは
作って、その山に登ることではなくて、僕らが山の上に立っているということを
みんなに知らせることだった。


 実は、この点について、私は松本さんと全く同感想を持っています。もともと、
片手間の副業として「せどり」をやっていた私が、本格的に古書店をやりたいと
思ったのは、大手新古書店の台頭を許している今の古書業界では、新参者の
私でも、大いに存在価値を発揮する余地があると直感したからです。松本さんの
言葉を借りれば、私は古書業界の中で既に「自分の山」を見つけ、その頂上に
いるって自負はあります。

 こう断言すると、先輩方からはひんしゅくを買いそうですが、でも、古本屋は皆、
一国一城の主。天上天下唯我独尊。各自が、己の道を歩むのがあるべき姿だと
思うのです。先輩方には先輩方の、私には私の店のやり方があるんです。
どちらが正しいってもんでもないでしょうし、どちらかに統一すべきものでもあり
ません。それぞれが、自分なりに試行錯誤して、辿りついた姿なんです。

 では、私の「自分の山」とは、何か。それは単純なもの。

 いい本を売る。

 これに尽きます。古本屋として、これ以上の責務はあろうはずがありません。
恐らく、どこの古本屋も、この点は同じことを考えているはず。ただ、「いい本」の
捉え方が、どうも私は他の人たちとズレている気がするのです。この「ズレ」こそ、
私の個性。他の人が決して真似できない部分ですし、自分はそういうふうに本を
受け止めているんですから、この個性の部分を外して、世間一般の常識に合わせて
商売する気もサラサラありません。

 ただ難しいのは、いくら自分が山のてっぺんにいるからといって、それだけで
無条件に認めてくれるほど世間は甘くないってことです。松本さんもおっしゃって
いるように、それを知らせる作業が必要。それを必死にやって、ようやく受け入れて
もらえるかってことなんでしょう。

 この点では、私はまだまだ松本さんの足元にも及びません。ブログなどを通じて
世間にアピールしようとはしていますが、まだまだ宣伝不足。世間が知らなければ、
「無い」に等しいわけですから、いい本を売りたいって願いも、絵に描いた餅です。
 今後は、この点を自覚して、精一杯、自分なりに世間にアピールしていきたいって
思っています。
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