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時代とともに変わる古本屋の役割

 かつて、本は高価なものでした。そんな時代の古本屋の役割と言えば、
本を安く売ること―これに尽きます。新刊を買うほど経済的余裕のない
苦学生などをターゲットに、良書を定価よりも安く売るってことが、古本屋に
求められた社会的役割だったのでしょう。

 そうやって古本を買って必死に勉強した学生が、やがて社会の中心的
存在になり、高度成長の原動力となったのですから、古本屋も日本の
経済発展にいくらかは貢献したってことは言えそうです。

 ところが、今は本が安くなりました。昔に比べ、本の値段は上がって
きていますが、国民の所得水準が豊かになったものですから、かつて
ほど高額な印象は受けません。漫画、小説などの娯楽本に関しては、
子どものお小遣いでも十分買えるほどです。

 こんな時代、古本屋の役割は変わってきました。今でも、新しく綺麗な
本を安く売るってことはしていますが、これはもはや大手新古書店の
独壇場。資本力の差で、個人店が太刀打ちできるものでは到底あり
ません。
 しかも、安売りの主体は、コミック類などの娯楽本で、教養本、専門書と
いった類は、主力商品にはなっていません。大手新古書店で買い求めた
本で、必死に勉強したっていう青春時代の思い出を持つ人は、少数派の
はずです。

 学生に限らず、国民全体があまり本を読まなくなってきているのですから、
難解な書物よりも、読みやすい娯楽本に主力商品が変わっていくのは
致し方ありません。ただ、こういった商品は、薄利多売が基本なので、
大手が品揃えや集客で圧倒している以上、個人店は「多売」を期待できず、
生き残りのためには、他の道を模索するしかなさそうです。

 そんな中、小さな個人の古本屋に求められる役割は、何か。色々な方法が
考えられるかもしれませんが、私は2つ指摘したいと思います。

 第1。絶版になった本やプレミア本を集め、収集家に売るという道。時には
1冊何万円もするような本を扱って、マニアのために珍しい本を集めるという
道です。
 いくら本を読まない人が増えたとはいっても、本好きの人はいるわけで、そう
いった人たちの中には、珍しい本を読んでみたいって欲求を持つ人も出てきます。
そういったニーズに応えるわけ。昔ながらの古書店には、この道を進むところが
多いみたいですね。

 第2。地域密着型の古本屋になる道。自分のお店に来る常連さんの好みを
把握し、そのニーズに徹底的に応えるって道です。
 いくら大手の新古書店の方が安く、品揃えも豊富だって分かっていても、どこも
かしこも大手が進出しているわけじゃありません。大規模店のない地域では、
地元の古本屋が自分の好みに合った商品を取り揃えてくれていたら、多少値段は
高くても、そこに行こうって思う人もいるはず。こういう人たちをターゲットにする
わけです。
 これをしようと思ったら、大雑把にどういう本が売れるなって把握するだけじゃなく、
しっかりお客さんの顔を覚え、その人の買った商品も把握するって努力が大事。
簡単なことではありませんが、お客さんの好みを把握したら、無駄な仕入れは減らせて
商品の回転率が高まるかもしれません。これは大規模店では絶対にできないこと
なので、挑戦してみる価値はあるかも知れませんね。

 時代とともに、古本屋も求められている姿が変わってくる。それに対応できた店は、
新しい時代も生き残り、対応できなかった店は消えていく。厳しいですが、それが
ビジネスの現実。当店も、10年後、20年後の未来に生き残れているか不安は
ありますが、今はただ精一杯いい品を集めて、売り出すってことに集中したいと
思います。

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