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サイン本であっても

 これまでサイン本の真贋の見極めなどをお話してきましたが、実は、
サイン本だからといって必ずしも高額なわけではありません。

 紛うかたなき本物のサインだったとしても、その著者にそこそこのネーム
バリューがないと誰も欲しがらないわけで、誰も欲しがらないってことは
売値もそんなに高くなりません。ロビンが自費出版して、全部に私のサインを
書き込んでも、誰も欲しがりませんよねwww

 こういったことは、需要と供給の関係。需要が小さければ、市場価値は落ち
るものなんです。あまり人気のない作家や学者の著書、自費出版といったもの
には、サイン本が出てきても正直なところ、あまり市場価値はありません。
むしろ「落書き」扱いされ、古本屋での買取額が減額される場合もあるかも(笑)

 そういえば、以前、業者市で面白いことがありました。ある俳優のサイン
本が出品されたのですが、皆さんの反応は芳しくありません。

「××のサインか~。いらんわ!!」・・・ってwww

 その俳優は有名な方ですし、恐らくサインも本物。でも、売れないって
判断をされてしまったので価格はそんなに上がりませんでした。この場合は、
その俳優に「人気がない」っていうよりも、そのサインが「売れない」って
判断をされたわけですが、結局その判断根拠は、お客さんの需要。欲しいって
思う人がいっぱいいれば、業者市でも値段は上がりますし、いなければ
サイン本でも値段はつきません。

 需要と供給の関係でいえば、供給過剰の場合にも価格は落ちます。人気
作家で、けっこうの部数を売り上げる人のサイン本でも、頻繁にサイン会を
開いたりする方のものですと、サイン本が市場に多く出回っていますから、
値段もそんなに上がりません。

 需要が小さいか、供給過剰か。いずれかの原因で、市場価格がさほど
高くない場合には、そもそもサイン本の真贋を判断する必要はありません。
だって「サイン」に価値はないわけですから。純粋に本の値段だけを
考えて値付けすればいいわけです。

 それに、サインの価値も変わります。今は人気作家でも、10年もすれば
誰も興味を持たないって人もいるでしょう。そんな場合、そのサイン本も
10年後にはほとんど無価値。

 市場価値の高いサイン本の数も少ないですし、その市場価値を長年に
わたって維持する本はもっと少ない。……ってことで、サイン本の真贋に
悩むってことは、普段の買取の中では滅多に起こらないことなんです。
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