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敬老の日に考える古書事情

 今日は敬老の日。それにちなんだニュースが色々と流れていますね。
 
 総務省の発表では、65歳以上の人の数が全人口に占める割合は
25.9%。国民の4人に1人は、65歳以上ってことになっているそうです。
さらに、75歳以上の割合も12.5%で8人に1人の割合だとか。随分以前
から、高齢化社会、高齢化社会って言われていますが、統計上もそれが
裏付けられたようですね。

 さて、私の実感。

 本の買取でお邪魔するお宅の高齢化率は、総務省の統計よりもっと高い
って気がします。20代、30代の方ってほとんどいらっしゃらず、50代、
60代でも若い方。70代、80代の方からお譲りいただくってのも少なくは
ありません。当店の取引記録に残る最高齢の方は、95歳でした。

 正確に統計を取っていませんので、65歳以上の方のご利用が全体の
何割程度なのかってのが分かりませんが、でも印象としてはかなりの数。
4人に1人ってことはなく、4人のうち3人くらいまでが、その年齢層じゃ
ないかな~て感覚です。

 総務省の統計と当店の客層との間に、相当なズレがあるみたい。買取
依頼に関しては、総務省の統計以上に、高齢化の波が押し寄せているって
のが実感です。

 どうして、そうなるのか? 自分なりに推測してみました。

 理由その1。
 高齢の方は、他店に持ち込むのが億劫になるってこと。
 ネームバリューも宣伝力もウチより高い新古書店。最近はたいていの町に
進出していますが、それでもご近所ってほど近場にオープンしていない地域も
多いもの。そこに古本屋があるってことを知ってはいても、そこに持ち込む
までが一苦労。ってことで、当店のように出張買取をしているお店に、依頼が
来るんじゃないでしょうか?

 要するに、近所のお店に自分で持ち込む体力のある若い世代は、さっさと
自分で持ち込んで、それが難しいって人がウチに頼むもんだから、必然的に
当店のお客さんは高齢の方が多くなるって構図。

 理由その2。
 新古書店で買取ってもらえない本を、売りたいって思う場合。
 新古書店では、バーコードのついた比較的新しい本しか扱わないってことが
多いみたいですね。でも、バーコードのついていない本の中にも貴重ないい本は
あるもの。そういう本を、きちんとした店で処分しようって思ったら、やっぱり
そこは新古書店よりも、昔ながらの古本屋! ってことで、幅広いジャンルを
扱っている当店に依頼いただけるってことに、つながっているみたいです。

 これは、新古書店の取りこぼし客層。新古書店で扱えない古い本を持って
いるってことは、……なるほど、高齢の方が多くなってくる気がします。

 理由その3。
 本はなかなか処分できないってこと。本好きの人にとって、本を売ったり、
捨てたりするってのは、耐え難い苦痛。自宅スペースの許す限り、なるべく
手許に本を残しておきたいって考えます。だから、なかなか本好きの人は
本を売らない。売らないから、たまっていく。でも、とうとうスペースに余裕が
無くなって処分せざるを得なくなった・・・って時には、既に随分、齢を重ねて
いるってこともあるもの。

 要するに、若いときに集めた本を、齢を重ねてから次代の若者に託して
いくってこと。自分がこれまで大事にしてきた本を、「いい人にもらって欲しい」
って想いで当店に託される方は、結構いらっしゃいます。本を手放す決心を
するのに、随分時間が必要だったわけで、なるほど、やっぱり高齢の方が
多くなるわけです。

 理由その4。
 これは一番深刻な理由。若い世代が、本を読まなくなったってこと。
 もちろん、若い世代にも本好きはいますし、大量に本を持っている人も
いるはず。でも、昔の人たちに比べ、総じて読む量が少なくなっている
みたいです。読まないなら、そんな本を持っているはずもないわけで、古本
屋に売りようもないってこと。ってことは、本を売ってくださるお客さんは
年輩の方ばかりってことになります。

 ・・・どうでしょう? 私の推理。もちろん、人それぞれ事情は違いますから、
上の理由が全てってわけでもないでしょうし、どれか一つの理由だけって
わけでもないでしょう。でも、ある程度は的を射ているんじゃないかなって
思っています。

 高齢化問題。日本は、社会保障などの面で、この問題にしっかり取り組ま
なきゃいけないわけですが、古本屋のビジネスとしては、あまり影響はあり
ません。若い世代が本を読まないなら……そんな若者が世の中にあふれ
かえっても商売にならないわけで、私としては社会の構成員の年齢層なんか
より、その文化的素養の方がよっぽど気になります。

 一つ、多くの高齢者の方々から買取をした経験から、確実に言えること。

 本を多く読む方は、皆さん、元気で聡明です。多少、耳が遠くなったとか、
足腰が弱くなったって体力面での不安はあったとしても、数多くの名著を
読破されてきた方たちは、決して心まで年老いているってことは、ありません。
皆さん、生き生きとした老後を過ごされていらっしゃいます。

 そして、本を読むからなのか、あるいはその逆なのか、とにかく皆さん
聡明です。本を読むってことは、やっぱり記憶力、判断力にもいい影響を
与えるんでしょうね。認知症ってことには、あまりならないようです(医学的
根拠は、どうだか知りませんが……)。

 誰もが年を取るのは、嫌だと思いがち。でも、こればかりはどうしようも
ありません。そういう自然界の掟なんですから。しかし、大切なのは自分が
何歳かってことよりも、自分が今までどう生きてきたか、ってこと。充実した
毎日を過ごし、生き生きと過ごせるなら、齢を重ねるってことは決して
不幸なことじゃないと思います。

 当店の出張買取サービスをご利用いただいた方の中には、高齢の方が
多かったですが、でも私は、いつまでも元気で向上心高いそういった方々を
尊敬していますし、自分自身そういうふうに齢を取りたいって思います。

 敬老の日。当店利用者の年齢層と総務省のデータを比較しながら、
そんなことを考えていました。
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