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嵐がやって来た! 後編

 前回の記事の続き。
 http://robinbook.blog.fc2.com/blog-entry-489.html
 
 日南会の市会では、出品の順番はクジで決まります。同じ商品でも、市の
最初の方と終わりの方とでは、落札相場が変わることもあります。予算枠
いっぱいの買い物をした人は、市の途中でもさっさと帰り支度を始めることも
ありますので、やっぱり最初の方に出品するほうが有利です。

 ところが、そのお宝出品者。順番が一番最後になっていました。気落ちして
いるその方に別の方が、

 いや、この出品だったら、順番なんか関係ないから

 って励ましています。こんなところも、いつもと違う空気。ちなみに、どのくらい
珍しい出品だったかと言いますと、ある方いわく

 10年に1度あるかどうか

 ってぐらいの品だそうです。100年に1度って言われると誇張が過ぎる感が
ありますが、このぐらいの数字だと妙にリアリティがあって説得力があるもの
です。新参者の私は、もちろん初めて経験することですし、その出品者の方も
比較的若い方ですので、恐らく初めての経験。聞けば、良さそうな品だなって
感覚はあったのですが、そこまですごい品だとは思わなかったみたいで
驚いています。

 さて、市がいよいよ開始。私の出品は、真ん中の方の順番。もう少し前の
順番の方が良かったですが、今日はとにかくそのお宝出品の前に品を
出せるってだけでラッキーです。その出品者の後だと、どうにも売りにくく
なっているはずですから。

 無事、私の出品は終了。完売して、思った以上の金額で落札していただき
ましたが、そのお宝出品の売上に比べれば、微々たるものでしょう。嬉しさ
半分、悲しさ半分……カナ?

 あれ? 今日は随分力を溜めていますね。

 いつもバンバン競り落としていく方が、今日は随分穏やかです。明らかに、
本日のメインイベントを意識してのことでしょう。余計なお金は使わず、お宝
出品に全力を注ぐって作戦のようです。「え、そうかな?」なんて、とぼけて
いますが、バレバレですwww

 さぁ、何だかんだと他の出品もありましたが、いよいよ本日のメインイベント
です。いつもは、帰り支度を始める方も多いのに、今日は最後まで皆、帰り
ません。お宝本の落札額が気になるのでしょう。

 そのコミックの束、まとめて振りに出すのか、小分けにするのか、ちょっとした
議論がありましたが、まとめてドン! と振るってことになりました。
 お宝本の束が目の前に出されたとき、皆に緊張感が漂いました。手を触れる
ときも、汚すなよ! って周りのプレッシャーがあります。まして喋るときにウッカリ
とツバでも飛ばそうものなら、袋叩きにされそうな雰囲気(笑) 恐い恐い。ホント、
嵐の前の静けさって感じ。また、この沈黙が余計に緊張感をかきたてます。

 皆が商品を確認したのを見て、いよいよ開始額が告げられようかってとき、
振り手の方がさらに緊張感を煽ることをおっしゃいます。

 コレ、中身見てないけどいいよね? 何かあったら、返品、
返金の事故対応大丈夫?


 って出品者に尋ねます。

 市会のルールとして、出品する本の状態に難があった場合には、事前に告知する
ってことになっています。それを怠って、もし問題ある商品を売ってしまった場合には、
返品や値引きなどで対応するわけですが、コミックや文庫本類は扱う数が多いですし、
いちいち状態の説明をしない人もいます。

 でもこの出品は、そんないい加減なことでは困ります。値段が値段だけに、トラブル
は絶対に許されません。出品者も、一応、出品前に点検はしたとのことですが、
そこまで高額商品になるって予想はしていなかったので、「いや、そう言われると・・・」
と、ちょっと戸惑い気味。

 何か問題があっても、文句を言わないってことで、安くから
振りだしたらどうですか?


 と、私が提案。安くから振り出されて、しかも「文句を言わない」て条件をつければ、
私もゲットできるチャンスがあるかも・・・な~んて、ちょっと甘い期待をしていたのです
が、

 いや、それじゃ~出品者に可哀想だ

 ってことで、私の馬鹿な提案は、瞬時に却下されました(爆)

 で、後々のトラブルがないようにということで、しばられているヒモをほどいて中身を
確認することに。

 綺麗だ!

 極美品です。ますます、この出品の評価が上がりました。状態も問題なし、本の
タイトルも確認した。いよいよ、「振り」(=競り)のスタートです。

「××万円から!」

 告げられた開始額は、もう私の手に負えるものじゃありません。万が一、事故で
競り落としてしまっても、もはや冗談ではすまされない金額。この時点で、この
商品を私がゲットできる可能性はゼロになりましたが、いやはやそれでも専門店
の方には、その開始額じゃ安いみたいで、ドンドン値段は上がっていきます。

 結果、開始額の倍ほどの値段をつけたところで終了。予想通りの高額出品と
なりました。落札したのは、引くに引けないって静かに宣戦布告していた、あの
お店です。やっぱり気合が入っていました。
 オーっという驚き、興奮、熱気の詰まった奇妙な歓声に会場が包まれ、こうして
嵐の市会は終了しました。ヤレヤレ……。

 私のイメージでは、「振り」での出品は、「置き」に比べて、落札額が低くなるって
思っていました。他の人の動向を見ながら、徐々に額が上がっていくものですから。
でも、とんでもないレア商品の場合、どうしても欲しいって思う店が複数あると、
置きのとき以上に値段が上がるってことも。

 置きだと、自分の書いた金額で落とせなかったら諦めつくけど、
振りだともうちょっと、もうちょっとって頑張ってしまう・・・

 落札者のその方は、そう語っておられます。他の人の動きがわかるだけに、もう
ちょっとだけ頑張ろうって思うんですね。あと少し出せば、お宝が手に入れられる
かもって(笑)

 コミックに詳しい方に話を聞いたら、今回の落札額、ほとんど店の売値に近い
ラインだろうとのこと。要するに、落とせても店にはほとんど何の利益もないわけ
です。それでも滅多に出てくる品じゃないし、専門店の意地にかけて入手して
おきたいって心理があったみたいです。

 カツアゲにあったようなもんやな。

 落札者は、そうおっしゃいます。お宝本を入手できた喜びはあるはずですが、支払
額が支払額だけに、喜んでばかりもいられないところ。でも・・・こういう気概を示す
買い方って、私は好きです。いつか私も、店の看板になるような品を、ドカンと高額で
競り落としてみたいものです。

 色々ありましたが、出品者も、落札者も、驚きいっぱいの市会の日でした。
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