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細く長く

 「大阪古書月報」という小冊子があります。大阪の古書組合が、
組合員宛に発行している機関紙。その最新号が届きました。

 90周年の記念式典のことやら、組合の定時総会のことやら、
色々な情報が載っています。その中に、新組合員ご挨拶って欄が
あります。新しく組合に入った新組合員が、前職のことやら、今後の
抱負などやらを語るところ。

 私も7月に入ったばかりということで原稿依頼があって、先月に
提出していました。私の他に、新組合員は2人。今回の号では、
計3人の新組合員が挨拶をしているというわけです。

 読んで、面白いと思ったこと。3人のうち2人が、同じキーワードで
今後の抱負を語っています。それは・・・

 細く長く

 新人のくせに覇気がないって気がしないでもありませんが、でも、
これって切実な問題。古書業界の現状を見るに、「細く」ってのは
さほど問題なく実現できますが(ってか、「細く」なっているのが問題
ともいえますwww)、「長く」ってのは至難の業。

 そもそも古書店にかぎらず、どんなビジネスでも「長く」続けるって
のは、それだけで大変なこと。だって、時代は動いているのですから。
過去に正しいとされていた方法が、今では間違っているってことは、
よくあること。つまり、それぞれの時代に適応する能力がないと、
商売は長続きしないのです。

 ところが、これが古書店にとって大難問。そもそも、扱う商品は全て
「中古本」なわけです。世に出回って随分時間のたったものを扱う
ことになるわけですから、どうしても流行遅れ、時代遅れってことが
生じてきます。

 それでも、なんとかお客さんのニーズに応え、必死で商売を続けて
いっても、一時のIT企業のようにわずか数年で株式上場を果たすほど
急成長を遂げるってことはあり得ません。一部には金回りのいいお店も
あるかもしれませんが、古書店の大半は、それほど儲かっているわけ
じゃありません。

 実際、私が組合に入ってからも、廃業したとか、潰れたって話題はよく
耳にしますが、「あそこの店は儲かり過ぎて、税務署が調査に来た」
なんて話は聞いたことがありません。

 要するに、古本屋は儲からない商売。そんなことを、新組合員が夢も
希望も抱かず思っているのだから、やっぱりこの現状は楽観視できません。
「お先真っ暗」とまではいいませんが、少なくとも古書業界全般に明るい
未来は、見えません。

 ・・・そう。「細く長く」をモットーに掲げた新組合員の1人は、私なのです(笑)

 多くは望みません。ただ、多くの店がつぶれていく今の古書業界にあって、
本を愛する人間が、苦労しながらも商売を長いこと続けていけたなら・・・
それは、バラ色とまでは言えなくても、少しは希望の光になるんじゃないか
って思っています。

 それは、古書業界にとって明るい話題ってだけでなく、日本全体にとっても
いい話題のはずです。だって、店の商品を買っていただくお客様がいてこそ、
店は存続できるはずなのですから。そして、そのようなお客様は、本をこよなく
愛し、人生を実り豊かにする術を知っている人たちなのですから。

 本を読まない人間に、人生は有意義に過ごせない

 これは多少偏見に満ちた、私なりの信念です。同様に、

 本を読まない国民が作る国に、明るい未来はない

 ってことも、少なからず真実を含んでいると思っています。だから、私たちには
本をよく読み、少しでも社会をよくするために、しっかり学ぶ義務があります。
そして日本は民主国家である以上、この義務は国民全員が負う義務でも
あります。だって、私たちの判断は、選挙という形を通じて、政治の世界に
反映されるわけですから。

 そう考えると、たとえ「細く」とも、ともかく「長く」古本屋を続けること。これは、
古書業界に携わる人間が痛感すべき責務だと思っています。
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