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今昔物語集より

 昨日、ご紹介した「少女系きのこ図鑑」。そのキノコが登場する文学作品を
紹介しているって部分が面白いな~って思ったんですが、ちょっと残念なのは
メジャーなキノコをいくつか収録できていないこと。

 ヒラタケってキノコもメジャーなキノコですね。食用にもなる美味しいキノコです。
で、このヒラタケが出てくる文学作品として、私が真っ先に思いつくのが、今昔
物語集です。大学受験の勉強をしていた時、学んだエピソードです。

 国守の藤原陳忠(のぶただ)が谷底に転落したんですが奇跡的に助かり、
家来に引き上げてもらうって場面。危うく命を落とすような事故に巻き込まれた
にもかかわらず、陳忠は呑気にヒラタケを拾って来たというのです。しかも、・・・

 ・・・平茸の多く生ひたりつれば、見捨てがたくて、まづ手の及びつる限り
取りて、旅籠(はたご)に入れて上げつるなり。いまだ残りやありつらむ。
言はむかたなく多かりつるものかな。いみじき損を取りつるものかな。・・・


 と言って、命が助かった感謝とかすることなく、谷底で見つけたけど取り
損ねたヒラタケがまだまだ残っているって残念がるのですwww 何たる
強欲!!

 陳忠の力説は続きます。

 ・・・宝の山に入りて、手を空しくして帰りたらむ心地ぞする。受領は倒るる
所に土をつかめとこそ言へ・・・


 「受領は倒るる所に土をつかめ」は、今風に言えば「転んでもタダでは起き
ない」ってところ。当時、「受領」て役職に就いた人間は任国で好き勝手して
巨万の富を蓄えこんでいたそうです。そんな強欲な人間は、うっかり転んでも
タダ起き上がるのはもったいない。土でも拾っておけ! ってことなんでしょう。
まぁ強欲なハナシです。

 で、陳忠は、山ほど生えているヒラタケを見て取り残したのは、宝の山を見つ
けて手ぶらで帰ったようなものだ。せっかく(?)崖に転落するって危険な目に
あってまで発見したのに、そんな宝の山を放置するなんてもったいないこと。
ああ損をしたって考えるわけです。

 今昔物語集のこの部分、物語全体の主張としては、陳忠の強欲さを面白く
描いているってものなんでしょうが・・・でも、私はこの陳忠の気持ち、分かり
ます。キノコ好きの人の中には、陳忠の心意気に共感できる人も多いんでは
なかろうかって思います。

 それに・・・古本屋ってどうも強欲な人間が多いですからね。

 せっかく業者市まで来たんだ。手ぶらで帰れるか!

 なるべく安く仕入れたいぞ!

 なるべく高く買ってもらいたいぞ!


 あ~、もうどれもこれも陳忠並みの強欲さ(笑) 少なくとも古本屋の中には、
陳忠の強欲さを笑える人ってあまりいない気がします。
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