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ブックカバーについて

 書店で本を買うと、サービスでブックカバーを付けてもらえる
ことがあります。大手書店で多いサービスですが、古書店の中にも
そういったサービスを実施しているところはあります。

 書店で貰えるのは紙製の簡易なものですが、それでも本の汚れを防ぐ
ブックカバーを無料でサービスしてくれるんですから、消費者の立場と
しては嬉しい気配り。

 でも、読むのに邪魔になるので不要だって人もいます。ですから、店
ではたいていの場合、店員が

 「ブックカバーはどうしますか?」

 って尋ねるようになっています。

 確かに、読むのには邪魔に感じることがあります。勉強のために使う
参考書類は、何度もページを繰ることが多いのですから、カバーなんて
邪魔なだけ。学習効率が落ちますから、ブックカバーなど付けない方が
いいでしょう。それどころか、もともと付いている表紙カバーすら外して
利用した方が使いやすいって人もいるぐらいです。

 私の場合。文芸書を購入した場合には、ブックカバーを貰うことが多い
です。綺麗に読みたいってことと、電車の中などで読んでいるときに、
他の人にどんな本を読んでいるのか分かりにくくするため。

 まぁ別に、公共の場でポルノを広げて見ているわけじゃないですから、
何も隠す必要もないのですが、どんなジャンルの本を読んでいるのか、
赤の他人に知られたくないって気持ちが、何となくあります。何だろ?
この気持ち。一種の羞恥心なんですかね?

 そういうわけで、ブックカバーはなかなか重宝します。貰っても貰わなく
ても、同じ料金。だったら、貰わなきゃ損って気がしますが、そこは好みの
問題。読みにくいって人は、無理に利用する必要はありません。

 ただ、本をなるべく綺麗な状態で保管したい場合には、ブックカバーは
いいですよ。ヤケや汚れをある程度防げますから。皆さんは、ブックカバー
利用しますか?

最初は良かったのですが・・・

 今日は、母の付き添いで病院へ出かけました。立派な大病院。最近、
建て物を新築したそうで、中の設備も綺麗なものでした。建て物も立派、
スタッフも親切でいい印象を与えているのですが、それでも不便な点が
ありました。

 何度も何度も、窓口を変えて受付をさせられること。特に高齢の方や、
重症の方には窓口の移動も相当な負担になるはずなので、できることなら
ワンストップで対応できた方が便利だと思うのですが……まぁどこの病院も
そういうものなのかもしれません。

 検査やら、点滴やらで待ち時間が長く、その間退屈するので、本を読んで
過ごすことに。どんな本を読んでもいいのですが、この前仕入れた本の中
から手頃な新書サイズの本、それも裸本になっていて売り物にならないものを
見つけ出し、これを持っていくことにしました。

 経済学の歴史を解説した本。別に経済の勉強がしたかったわけじゃなく、
ただ単にこの本なら状態が悪く売り物にならないから、病院に置き忘れて
しまっても問題なしって判断で持っていっただけwww

 最初のうちはスイスイと読み進めることができたのですが、近代経済学の
章に入った途端、急に難解に。突然、多数の数式が登場して、あらあら、
これはもはや数学の本ですね、って感じ (^_^;) メモを取りながら丹念に読み
進めれば理解できないこともないでしょうが、病院の待ち時間に気楽に読む
って本じゃなかったですね。

 勉強のために読む本、息抜きに読む本、趣味で読む本・・・本を読むときは、
その内容だけでなく、読むシチュエーションも大事だなって痛感しました。

 それにしても・・・経済ってホント複雑です。経済活動を行う人間自身が、
複雑な存在だからでしょうね。でも、その複雑な人間が繰り広げる経済
活動を極力シンプルに説明するからこそ、経済学は「学」って名を許されて
いるわけですが、やっぱり難解です。

 古本屋をやっていると、このことは痛感しますね。モノの価格・・・経済学
では、こういったものも研究対象に含まれますが、古本の値段って、そりゃ
ある程度は需要と供給っていう経済原理で説明できるでしょうが、店主の
思い入れっていうアバウトな要因によって決定されることも多々あります。

 古本屋が経済原理を知らないから儲からないのか、あるいは古本屋が
儲かっていないから経済学の研究対象から取りこぼされているのか(笑)
まぁ詳しい事情は私も知りませんが、でも、理解不能な取引相場の形成
されている事例はいくつか指摘できます。それほど珍しい本でもないのに、
なぜか高額で取引されていたり……。

 経済原理がどうであれ、現にそういう相場で取引されているって事実の
方が、古本屋にとっては大事なわけで、なぜ売れるか? って原因を
深く考える人は、あまりいないようです。そんなこと考えていても、何の
儲けにもなりませんからね。

 でも、個人的には、そういう意味不明な相場の原因を知りたいって
欲求があるもので、自分なりにアレコレ考察していたりもします。この
ブログでも、時折、面白い相場の例を紹介していこうって思いますので、
乞うご期待! ……ナンテネ。

今昔物語集より

 昨日、ご紹介した「少女系きのこ図鑑」。そのキノコが登場する文学作品を
紹介しているって部分が面白いな~って思ったんですが、ちょっと残念なのは
メジャーなキノコをいくつか収録できていないこと。

 ヒラタケってキノコもメジャーなキノコですね。食用にもなる美味しいキノコです。
で、このヒラタケが出てくる文学作品として、私が真っ先に思いつくのが、今昔
物語集です。大学受験の勉強をしていた時、学んだエピソードです。

 国守の藤原陳忠(のぶただ)が谷底に転落したんですが奇跡的に助かり、
家来に引き上げてもらうって場面。危うく命を落とすような事故に巻き込まれた
にもかかわらず、陳忠は呑気にヒラタケを拾って来たというのです。しかも、・・・

 ・・・平茸の多く生ひたりつれば、見捨てがたくて、まづ手の及びつる限り
取りて、旅籠(はたご)に入れて上げつるなり。いまだ残りやありつらむ。
言はむかたなく多かりつるものかな。いみじき損を取りつるものかな。・・・


 と言って、命が助かった感謝とかすることなく、谷底で見つけたけど取り
損ねたヒラタケがまだまだ残っているって残念がるのですwww 何たる
強欲!!

 陳忠の力説は続きます。

 ・・・宝の山に入りて、手を空しくして帰りたらむ心地ぞする。受領は倒るる
所に土をつかめとこそ言へ・・・


 「受領は倒るる所に土をつかめ」は、今風に言えば「転んでもタダでは起き
ない」ってところ。当時、「受領」て役職に就いた人間は任国で好き勝手して
巨万の富を蓄えこんでいたそうです。そんな強欲な人間は、うっかり転んでも
タダ起き上がるのはもったいない。土でも拾っておけ! ってことなんでしょう。
まぁ強欲なハナシです。

 で、陳忠は、山ほど生えているヒラタケを見て取り残したのは、宝の山を見つ
けて手ぶらで帰ったようなものだ。せっかく(?)崖に転落するって危険な目に
あってまで発見したのに、そんな宝の山を放置するなんてもったいないこと。
ああ損をしたって考えるわけです。

 今昔物語集のこの部分、物語全体の主張としては、陳忠の強欲さを面白く
描いているってものなんでしょうが・・・でも、私はこの陳忠の気持ち、分かり
ます。キノコ好きの人の中には、陳忠の心意気に共感できる人も多いんでは
なかろうかって思います。

 それに・・・古本屋ってどうも強欲な人間が多いですからね。

 せっかく業者市まで来たんだ。手ぶらで帰れるか!

 なるべく安く仕入れたいぞ!

 なるべく高く買ってもらいたいぞ!


 あ~、もうどれもこれも陳忠並みの強欲さ(笑) 少なくとも古本屋の中には、
陳忠の強欲さを笑える人ってあまりいない気がします。

玉木えみ「少女系きのこ図鑑」

 お薦め本、紹介。

 玉木えみ・著 飯沢耕太郎・監修「少女系きのこ図鑑」

 いっぷう変わったキノコ図鑑です。107種のキノコを収録しているんです
が、そのイラストがどれも可愛らしい! 「少女系」ってネーミングだけ
あって、色んなきのこを女の子に擬人化して描いているわけです。

 晩秋。山にはキノコが生えていますが、いざ山で見つけたキノコをこの本で
調べようと思っても・・・う~ん、それはちょっと難しいかな? 「図鑑」って
名前は付けられていますが、写実的に描かれているわけじゃないですし、
調べ物をするには不適だと思います。

 むしろ絵を楽しむための画集、イラスト集と思われた方がいいでしょう。でも、
一応、「図鑑」って銘打っているので、ごく小さくですが写実的な絵も掲載されて
いますし、各キノコの説明はしっかりされています。

 各キノコのイメージは、著者の玉木さんの感想によるものでしょう。ドクツルタケ、
カエンタケ、シャグマアミガサタケといった毒キノコは、もう見るからに魔性の女。
絶対に男をたぶらかすような奴だなって感じ www でもベニテングタケって
毒キノコは可愛らしい少女として描かれています。

 このベニテングタケ。私は以前、京都で群生しているのを見たことがあるん
ですが、すごい光景でしたよ。もう大きなキノコがアチコチにボコボコっと。。。
木の周りに輪を描くように生えるんですが、これを「菌輪(きんりん)」って呼び
ます。西洋では、この輪っかのことをフェアリーリングって呼ぶそうで、輪っかの
中で妖精が踊っているって言い伝えがあるとか。そういうメルヘンチックな伝承も
考慮して、ベニテングタケは可愛い女の子として描いたんでしょうね。

 この本の、もう一つの見どころ。それは、そのキノコの登場する文学作品からの
引用が載せられているってところ。イラスト集として楽しんで、図鑑として勉強して、
しかも文学作品の引用もあって・・・。1粒で2度おいしいどころか、1冊で3度楽しい
本に仕上がっています。

 楽しい本なので、ぜひ、読んでみてください。

吉田智子「江戸創業金魚卸問屋の金魚のはなし」

 お薦め本、紹介。

 吉田智子「江戸創業金魚卸問屋の金魚のはなし」(洋泉社)

 筆者は、金魚の卸問屋に嫁いだ女性。それまで特に金魚と縁のある
生活をしていたってわけではないそうですが、金魚に携わるようになって
金魚の魅力にドップリ浸かった様子。金魚の鑑賞法や、歴史など、興味
深い話が記されていて、金魚を飼ってみたいって思わせる本です。

 ホント、私って影響されやすいタチですから・・・こういう本を読むと、自分も
金魚を飼いたいな~なんて思うんです。買取が不調に終わったとか、業者市で
いい品を落とせなかったとか、全然売れなかったとか・・・いろんな辛いことが
あっても、ユラユラと泳ぐ金魚の姿を見ていたら、確かに癒されそうだな~
なんて思うんです。

 小さな金魚鉢で十分。簡単に飼えますよってことですが、でも水は本の
天敵。万一、私が室内で躓いて金魚鉢を倒してしまったら、金魚も本も
両方ダメになるってことも予想されますので・・・残念ながら、どんくさい
私は、本でのみ金魚を鑑賞するのが良さそうです (^_^;) でも・・・将来的
には、チャレンジしてみたいな~なんて思ったりして。。。

 金魚は日本の伝統文化。この文化を絶対に絶やしたくないと、筆者は
語ります。

 ・・・とにかく今は、“スピード”が重視される時代です。もちろんこれも
大切なこと。ただいつもスピード重視の社会に身をさらしていたら、何か
大切なものが忘れ去られてしまうのではないかな、疲れてしまうのでは
ないかなと思うことがあり、心配になるのです。・・・

 私が思うに金魚は“究極の癒し”です。尾びれをゆらゆら揺らしながら
泳ぐ姿に見とれて時間を忘れ、規則正しく並んで、きらきら光る鱗に心
奪われ、つぶらな瞳に思わず心がキュンとなる、その時間そのものが
心を浄化してくれる癒しの時間です。・・・

 ・・・私は7代目を継いだからには、今再び金魚の素晴らしさをひとりでも
多くの人に伝えることが使命です。


 こう語る筆者の使命感には、実に共感できるものがあります。私も本を
扱う人間として、一人でも多くの人に読書の魅力知ってもらいたいって
思いますし、そのために自分のできることをせねばって使命感も感じて
います。

 金魚と本。全く別ジャンルですが、いいものを後世に伝えていくには、
それなりの努力が必要ってことは同じ。そういうこともあってか、何だか
妙に筆者に感情移入できて、私は楽しく読めました。

 金魚のことを全く知らない初心者はもちろん、卸業者として働く筆者の
体験談も語られていますので、愛好家の方にとっても、楽しめる本じゃ
ないでしょうか。昨年夏に初版が発行された本。まだまだ新刊で入手
出来ると思いますので、興味がありましたら、ぜひ、ご一読ください。
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