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サイン本の真贋 その2

 サイン本の真贋の判断方法、その2。入手経路を調べる。
これは、特に我々業者が、一般のお客さんから買取る際に
気を付けなきゃいけないこと。いくら人気作家の名前が
書いてあるからって、それだけで直筆署名本ってことには
なりません。本物であるとは限らないからです。

 そこで、どういったルートでその品を手に入れたのか確認
します。作家のサイン本なんて、そう頻繁に手に入れるもの
じゃないですから、それを手に入れたときのエピソードって
のは、それなりに記憶に残るもの。「忘れた」って言葉が
出てきたときは怪しいですし、不自然な回答だった場合も
要注意です。

 入手経路がはっきりしない場合には、その本が偽物って可能
性が高くなりますし、仮に本物だとしても入手経路が説明でき
ない品=盗品……ってことも考えられます。いずれにせよ、
古書店としては扱えない品ってことです。

 一般のお客さんが、サイン本を入手する経路としては、およそ
次のようなものが考えられます。

 ・サイン会
 ・書店・古書店で購入
 ・個人的に交流があった

 もちろん他のルートも考えられますが、かなりレアケースな
はず。およそは以上のようなところだと思います。で、もちろん
これらのルートの回答があったからって、それをそのまま鵜呑み
にはできません。会話全体から判断して、その話の信ぴょう性、
整合性を考えます。

 本当は、お客さんを疑うような真似はあまりしたくないのです
が、お客さん自身は本物と信じていても、やはり何かの間違いで
偽物を掴まされているって場合もありますから、そのまま信じる
わけにいかないのです。それに、当店がサイン本として売出した
ものが偽物だったってなった場合には、別のお客さんにご迷惑を
かけることになってしまいますので、やはり真贋の判断は慎重に
しなくちゃいけません。

 一般の方と異なり、古書店がサイン本を入手する経路は様々。
あらゆるルートで仕入れてくる可能性があります。もちろん、
合法なものですよ(^^) その特別なルートこそ、プロとして
やっていく上で一番重要なノウハウ。ネットでそんな情報が
出回ることは、まずないでしょうねwww

 皆さんが、古書店からサイン本を買おうって考えている場合。
可能ならば、店主にその本の入手経路を尋ねてみるといいで
しょう。もちろん、誰それから買ったとか、いくらで手に入れた
って細かい情報は教えてくれないはず。そのあたりを突っ込んで
聞くのはマナー違反。

 でも、会話する中で、少なくともその店がその品を入手して
いても不思議はないなって思えるかどうか……このあたりは
説明が難しいのですが、平たく言えば、ご自身の第六感。そう
いったものにピンと来る反応があるかどうかを感じることです。

 ズバリ直球で、「本物ですか?」って尋ねてみるのもいいで
しょう。あまりにも疑っている感を滲み出していたら失礼です
が、商品について問い合わせることは、客として当然の権利。
誠実なお店でしたら、そこできっちり店主の判断を語ってくれる
はずです。こうこうこういう理由で、当店では本物と判断して
いますって具合に。

 何となく店主が胡散臭いって感じたら、買わない方がいいです
ね(笑) 棚を見渡して、他の商品と比べて浮いている、異質だ
って感じる場合も要注意。その店の得意分野じゃなかったのかも
しれません。ってことは悪意はないけれど、ウッカリ偽物を販売
しちゃっているって可能性もなきにしもあらずですね。

 まぁ結局のところ、店もプロとはいえ人間。間違いはあるもの
です。その間違いが、客を騙そうという悪意から来るものか、
それとも知識不足のための過失によるものか。高額な商品を買う
場合には、店主の人間性を判断して、その人の売っているもの
ならば間違いないって信じられるかどうか。そういう基礎的な
人間関係が大事になる気がします。

サイン本の真贋 その1

 昨日、サイン本の話をして、思ったこと。私はあまりサイン本
だからって特別に有難がったりしませんが、世間では人気作家
のサイン本はそれなりに価値が認められ、随分高額で取引される
ものもあります。

 そうなると出回るのが、偽物。本物であるかのように
見せかけて、まがい物を売りつけるって商売が横行したり
もします。大半の古書店は、真面目な商売をしているの
ですが、一部の悪徳業者がいることで、業界全体の印象が
悪くなるってのは悲しいこと。買う側でも、悪質な業者に
騙されないよう、しっかり見極めて欲しいって思います。

 サイン本の真贋をどうやって見極めるか。店によって独自の
方法論があることと思いますが、私なりのいくつかの方法を
紹介したいと思います。

 ただし、私のノウハウを全て公開するわけにはいきません。
これは、知識を独占したいというよりも、そういった情報を
ネットで公にすることで、悪用されるのを防ぐ配慮。

「なるほど、こういった点を見て真贋を判断しているのか」
ってコツを全て教えたら、その裏をかいて偽物を本物らしく
見せるってこともできるわけで、やっぱ色々と問題があると
思うんです。ご了承くださいm(__)m

 それに私自身、そんなにサイン本に詳しいわけじゃあり
ません。偉そうにウンチクを語るほど知識があるわけじゃ
ないので、ここで語るのはごく基本事項だけって思って
ください。

 真贋判断の第一歩は、何よりもまず「本物」を知ることです。
その作家の本物のサインを見たことがあれば、出来の悪い
贋作は見ただけで偽物とすぐ分かります。

 大手書店では、度々、人気作家のサイン会が催されます。
そういったイベントでサインを貰っておけば、これは間違い
なく本物ですから、後日、どこかの店でその作家のサイン
本に出会ったとき、真贋を判断する基準となりますね。

 物故作家の場合でも、漱石などのようにビッグネームに
なれば、あちこちの博物館やら記念館に、直筆の書が多く
残っていますから、そういったものを目に焼き付けておく
というのも効果的かも知れません。

 それから、本や作家に関する情報誌に目を通していると、
時折、作家のサインの写真が載っていたりします。そういう
のも記憶の片隅にとどめておくようにしたら、いざ実物を
見たときに、判断材料の一つにはなります。

 古書店の目録も、勉強になります。老舗の古書店の中には、
有名作家との交流が深かったことで知られるお店もあります。
そういったお店の目録に、その作家の生原稿やら、ハガキやら
が載っていたら、これはほぼ本物って考えて間違いないで
しょう。

 でも、注意も必要です。業者市で仕入れたものを売り出して
いる場合には、店主自身、騙されているって可能性もあり
ますから。店の信用に関わることですし、たいていは間違い
ないでしょうが、念には念を押して、高額な商品を購入する
際には、ご自身でもしっかり勉強されることをお勧めします。

 結局、本物を知らないと、真贋の判断は不可能。本物と比べて、
どうもこのへんがおかしいな……そういう勘が働かないように
なりますから。面倒でも、しっかり勉強。それが、偽物を掴ま
されるのを防ぐ一番有効な方法です。

日露戦争の極秘資料

 日露戦争の極秘資料を、京都の古書店が入手したってニュースが
報じられました。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140811-00000000-kyt-l26
 
 京都の業者市で入手したってことですから、ひょっとして私もお目にかかった
ものかなって思ったのですが、この春に手に入れたとのことで、私が組合に
入る以前のこと。そんな貴重な資料をゲットするチャンスはなかったようで、
自分がお宝を見逃したわけではないからホッとしたような、でもちょっぴり
残念なような・・・・・・。

 やっぱり京都には、貴重なモノが眠っていますね。私も一度、京都の市に
行ったことがありますが、出品物の傾向が全く大阪と違っていました。大阪は
量の多さで勝負するのに対し、京都は質で勝負するって感じ。1冊あたりの
金額が、かなり高額になるものもありました。

 正直、なかなか手が出ない金額で落札されていたので、しばらくは敬遠して
いました。でも、こういうニュースを見ると、これからはちょくちょく京都にも
顔を出そうかななんて考えたりして(笑)

  ただ、そういう出品は、競争相手が多くなりそう。やはり競り落とすには、
相当の金額を覚悟する必要がありそうです。なのに、それを売り出すときには、
それほど利益を乗せられないはず。
 私の見た限り、京都の市では、かなり売値に近い額で競り落とされている
ものもありましたので、貴重なモノであっても、さほど店側の利益はないと思い
ます。もちろん仕入値の10倍、20倍って値を付けるのも店主の勝手。それで
売れたらボロ儲けですが、なかなかそう上手くはいかないでしょう。高額商品は、
利益を生み出す品というよりも、店の看板商品とすべきものです。

 京都の業者市。・・・・・・なかなか、魅力ある商品が発掘できそうです。

郷土史について

 古書の中でも、比較的高価な部類に入るのが「郷土史」というジャンル。
文字通り、郷土の歴史について記された本です。

 都道府県単位の比較的広い範囲の歴史をまとめた本から、市町村単位の
かなりローカルなものまで地域は様々。簡易な装丁で出版され広く書店に流通
したものから、豪華な装丁で作られ一部の関係者にだけ配られたもの、あるいは
地元の研究家が史料を集め研究成果を公にした自費出版ものまで、装丁や出版
形態にも色々あります。内容も、広く歴史一般のことを記したものから、地元の産業
のことを特に取り上げたものなど、とにかくバリエーションが豊富。

 一般の書店に流通したような本だと、発行部数も多いですから、それほど
古書価は高くなりません。でも、函入りハードカバーの分厚い本だと、たいてい
の場合は、まず一般には流通していませんから、それが出てくるとそこそこ
値段はするものです。1冊数千円から、モノによっては数万円の値がつくことも
あります。

 そこまで高価な本となると、古書店の中には、その分野に特化しようと
郷土史を専門に扱う専門店も出てきます。
 もっとも、実際には「専門」とは名乗っても、そればかり売るってわけには
なかなかいきません。高額な商品は、それだけ動きが鈍いもの。売れたときの
売上高は大きいですが、入荷してジ~っと売れるのを待つだけの日々・・・って
こともありますので、店の運転資金を稼ぐには、他のジャンルの本もいくらかは
売らざるをえないっていう悩みがあるのです。

 それに、あるベテランの方は、郷土史の価格が暴落したって肩を落とされて
いました。以前は、すごい高額だったけど、今はそれほどでもなくなったという
のです。

 とはいえ、実際に売り出されている額を見ると、まぁそこそこ高額な値付け。
いったいどういうことかと思っていたら、かつてはこの郷土史が古書店の中で
ブームになった時期があって、各店が必死に仕入れたので価格が高騰して
いたとのこと。

 A店が売り出した郷土史を、B店が業者市で10,000円で買う。B店はそれを
すぐさま別の市に出して、15,000円で売る。それを買ったC店は、またまた
別の市で20,000円で売る。……そんなことが繰り返されて、みるみる値が
上がったそうです。何のことはない。バブルがはじけただけのこと。欲ボケ
するとロクなことになりません。

 暴落した今の値段は、まぁ需要と供給が釣り合った郷土史の適正価格に
近いってところなんでしょう。暴落とはいえ、そこそこの値段を維持できている
のは、それなりに需要があるから。学者や歴史マニアでなくても、自分が住んで
いる地域の歴史を知りたいって思う人は意外といるようで、ポツリポツリとこの手の
本は売れます。

 気軽に何冊も買える本じゃありませんが、以前に比べたら値段も落ち着いたはず。
地元の歴史に興味のある方は、「郷土史」というジャンルがあるってことを覚えて、
ネットで買い求めるか、近所の古本屋さんに尋ねてみてください。

古本の「相場」

 新刊書籍と違って、古本の場合、店によって価格が違っていることが
あります。店主の勘と経験によって値付けに差が生まれているわけです。
で、このようにてんでバラバラの価格体系が存在すると、気になるのが
その本の「相場」というもの。

 その本が、過去、どれくらいの価格で取引されたのか。これが、「相場」の
目安となってきます。

 でも・・・。「相場」・・・よく聞く言葉ですが、実はこれもいい加減なもの。
といっても、「相場」がないというわけではありません。どこで売られるか。
どのように売られるかで、「相場」というのは大きく変化するものなのです。

 たとえば、古書店が集う業者市。そこでの取引相場と、店頭での販売価格は
当然異なります。店は、業者市で仕入れた値段にいくらかの利益を見込んで
値段を付けるわけですから、店頭価格のほうが高くなるのが普通です。

 また、店の販売価格は、その店の客層に左右されます。すなわち、その店の
客に売れやすいもの、売れにくいもので値段は変わってきます。そして、住宅地に
構えるか、学生街に構えるかで客層も変わってくるのですから、同じ本でも店に
よって売れ行きは異なり、値付け価格に反映するってことになります。

 店頭で売り出す場合と、ネットで売り出す場合とでも価格は異なりますし、
ネットでもアマゾンで売り出す場合と、ヤフーで売り出す場合とで売れ筋は
変わります。

 このように古本の最終的な売値は、さまざま。「相場」って言われると、何だか
客観的な基準で、その本の価値が定まっているかのように感じがちですが、
まったくそんなことはなく、所詮は店主の「経験則」の言い換えにすぎません。

 私もこのブログで時折「相場」って言葉を使いますが、本当は空しい言葉
だなって思っています。もし、仕入れた本を「相場」どおりに現金化することが
できるなら、古本屋ほどボロイ商売はありません。重たい本が、まるで札束の
ように見えてくることでしょう(笑)

 過去の相場以上で取引されることもあれば、相場の半額でも売れないことも
ある。・・・だから、商売は難しいのであり、また面白くもあるわけです。
 皆さんも、あまり「相場」なんて気にせず、欲しい本だったら買う。興味がなければ
安いからって買わない。・・・そんなふうに「相場」に踊らされるのでなく、自分自身の
基準でしっかり買い物なさってください。
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